読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-2
kiji
0
0
1191171
0
ヅラが彼女にバレたとき
2
0
0
0
0
0
0
ルポ・エッセイ
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第10章 カリスマナンパ師との遭遇

『ヅラが彼女にバレたとき』
[著]藤田サトシ [発行]すばる舎


読了目安時間:17分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


 新宿での初ナンパ成功は私に大いなる希望を与えてくれた。


 ナンパ能力を身につければ、道行くヒトの中から理想の相手を見つけて、あわよくば結婚にまでこぎつけられるかもしれない。田園調布や成城に行ってお嬢様をゲットすることだってできるはずだ。それこそ私の人生はナンパによって変るかもしれない。


 これは、けっしてオーバーな表現ではない。今まで多趣味で、カメラ、ロック音楽、オーディオ、大型バイク、クルマ、パソコン、テニス、ジムと夢中になったものはたくさんあったが、素敵な女性との出会いほど胸が高鳴り、幸福と希望に胸がふくらむことは他にはなかった。それが実現しつつあるのである。


 初ナンパに成功してから、私は銀座の歩行者天国に赴くようになった。

 なぜ銀座の歩行者天国なのかといえば、パーティ通いをしていたために状況を熟知していたからである。


 どのへんに良いオンナが集まるのか、ナンパ後にどこの店に行けばよいかなど、すべて頭に入っている。もちろん、ファッションは紺色のブレザーにエンジのネクタイ。新宿での初ナンパの時にこの姿が効果的だったのを思い出し、縁起をかついだのだ。


 もちろん一番大切なヅラも装着して行った。


 私は銀座四丁目交差点に女性獲得スポットを決めた。毎週、和光前の定位置で女性を吟味するのである。


 ここなら待ち合わせのヒトが多いので、ずっと座っていても周囲から怪しまれることはない。また座っていられるので体力を温存できるから好都合だ。

 毎週毎週、同じ位置に腰かけて状況をうかがっていると、あることに気づいた。私と同様、いつも和光前で女性を物色するオトコがいたのである。


 ある夜、そんなナンパオトコが私に巻き舌で話しかけてきた。

「今日は人通りが少ないね。キミ、どこから来てるの?」


 これがカリスマナンパ師、M氏との出会いであった。

「いつも早いねえ。仕事はもう終わったの?」


 私が聞くと、彼は得意げな顔をしてこう答えたのであった。

「オレにとってはこれが本業さ。昼間の仕事は夕方からナンパするためのアルバイトみたいなモンさ」

(へえー、本格的なナンパ師なんだな)


 この日以後、銀座の路上で彼とあいさつするようになる。そして、いろいろと話をするうちに驚くべき彼の生活が明かされていくのであった。


 まず、「ナンパゴールデンタイム(6時~7時)のために、毎日5時半には必ず帰れる会社に勤めている」ということであった。公務員でもないのに、よくもそんな仕事を見つけられたものだと感心する。通常の会社なら、1時間ぐらいのサービス残業は常識。


 しかし、それは彼のナンパライフとは相容れないことなのである。


 M氏は18歳で群馬の田舎から大学進学で上京した。それまではまったく異性に相手にされず悶々(もんもん)とした(くる)おしい日々を過ごしていたそうだが、ディスコに行ったのがきっかけとなり、今まで20年もの間、クラブ、パーティ、路上等の至るところで理想の女性をほぼ毎日求めてきたのだという。


 このことを聞いて、私は師匠、O氏に電話をかけ、M氏を知っているかどうかを尋ねてみた。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:6925文字/本文:8204文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次