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「がまん」するから老化する
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第3章 クロード・ショーシャ博士のアンチエイジングメソッド

『「がまん」するから老化する』
[著]和田秀樹 [発行]PHP研究所


読了目安時間:37分
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 中高年以降のやせ願望の悪循環


 前章でも少し触れたように、ダイエットをすると人間の体は逆に脂肪をため込みやすくなる。つまり食事制限によって栄養不足になると体は、少ないエネルギーでも生命を維持できるように、必要なエネルギー消費を減少させる。

 山中で遭難した場合や大海原を漂流したようなときには、この機能のおかげで生還できるわけだが、最小限のカロリーを最大限に吸収しようとする体になるので、少しのカロリーオーバーでもリバウンドしやすい。すなわち、脂肪がつきやすい体に自己改造しているようなものである。

 このこと以外に、中高年以降のやせ願望では二つの悪循環が起こりやすい。

 第一の悪循環は、食事制限することで全般的にさまざまな栄養を摂り損なうことから始まる。タンパク質、コレステロール、脂肪といった栄養素が不足すると、たしかに外見はやせて見える。しかし肌のつやが悪くなったり、白髪が増えたり、髪の毛が減るなどして貧相な姿になりかねないわけだ。頑張ってダイエットを続けると、ますます外観の悪さにつながって、とりわけ中高年では老けて見られがちになる。

 もう一つの悪循環は、細胞レベルで起きる。ほとんどの生物は「解糖系」と言われるサイクルによって、糖を分解してエネルギーを作り出している。もちろん人間もその例外ではなく、しかもこのサイクルで得られる物質を利用して、酸素を使った代謝で脂肪を燃焼させているのである。

 酸素を使った代謝回路(サイクル)はTCAサイクル、クエン酸回路などと呼ばれている。炭水化物、脂肪、タンパク質などを水と二酸化炭素に完全に分解し、ATPという非常に大切なエネルギー物質を効率よく生産するのだ。すなわち「脂肪を燃焼させる」ためには、このTCAサイクルがきちんと働いていることが必須の条件なのである。

 こうしたサイクルを滞りなく回していくためは、さまざまな酵素、補酵素、ビタミンが必要だ。酵素とはエネルギーの代謝をはじめ、消化・吸収から排泄まであらゆる場面で活躍するタンパク質の一種である。この酵素が働くために不可欠なのが、ビタミンやコエンザイムQ10などで知られている補酵素である。
「食べない型ダイエット」では当然、なにがしかが不足した状態になるから、サイクルの途中で引っかかる部分が出てくる。サイクルの回りが悪くなるのである。

 エネルギーを作り出せないし、脂肪もうまく燃焼しない。つまり細胞や分子のレベルから、老化した体になってしまうことを意味している。

 若者がたくさん食べているわりに太らないのは、筋肉が多くて基礎代謝が大きいからと説明される。たしかにそれは間違いではないけれども、こうしたサイクルが若いときは比較的きちんと働いているからだ。このような細胞レベルのケアができていないと、中高年の場合はトレーニングをしてもやせられないし、老化を押しとどめることもできない。


 体を若返らせることでスリムな体に


 昨今の新聞は広告収入が激減したために、以前なら掲載されなかったような広告が載っている。その一例が健康食品やダイエット食品である。若者は新聞を読まないから、中高年向けの商品が毎日のように載っている。雑誌にはもっと怪しげな、即効性を(うた)う商品があふれ、インターネットとなると「やせ情報」の治外法権である。つまりは、それだけ「やせること」への関心が高いという証拠である。

 しかし「なぜやせたいのか」「何のためにやせるのか」を見失うと、「ただやせればいい」「体重が減ってよかった」ということになりがちになる。

 たとえば一カ月で一〇キロもやせるようなダイエットは、どう考えても危険である。心理的なストレスのために猛烈な過食をして一カ月に一〇キロ太ったという人ならともかく、そうではない人が短期間でこれだけやせたと誇るような広告は、人間の健康や老化予防を、まったく考えていないと言って過言ではない。

 やせることが目的になっているから、それこそ甲状腺ホルモンやエフェドリンなどを与えて、強引に基礎代謝を増やすようなクリニックも現れる。極論を言えば、体の脂肪細胞を取り去ってしまう方法もあるだろう。いわば反則技だが、医師の処方による相当に無理な方法も横行している。もはやこれは寿命と引き替えのようなもので、やせることが自己目的化すると、体に与える悪影響も考えられなくなってしまうのだ。
「美しい体でいられるのなら、六〇歳で死んでもかまわない」という人もいるかもしれない。しかし、体へのダメージは確実に老化につながるから、かえって肌つやを悪くする。そこでさらにヒアルロン酸だのコラーゲンだの、効果が実証されているものから怪しいものまで、対症的に試していくことになる。

 ダイエットとは本来、健康を保つための方法である。体重を減らしても健康でなくては美しいとは言えない。そのためには、内臓から健康にならなくてはダメなのだ。

 スリムな体を目指すのは、若返って健康を維持して人生を謳歌するためだ。美味しいものを食べ、異性からモテて、同性から少し羨まれる。着たい服が似合い、何歳になっても颯爽(さつそう)と動ける体と心を保っていたいなどの願いをかなえるためである。現役で仕事を持っている世代なら、いまは「見た目」が果たす役割が大切なことも熟知されているだろう。

 本章で紹介するクロード・ショーシャ博士の考え方は、やせることよりもアンチエイジングのほうが目的としては大きい。食事の量を減らすよりも、「食べても太らなかった時代の体」に戻すことを重視している。この点に、私は強く賛同したのである。

 ショーシャ博士の方式では、「一カ月で一〇キロやせた」式の広告のようなやせ方はしない。いままでどおり食べていても、これ以上太らずに体重が維持されたり、少しずつやせていく理想的な体を作る方法、それがショーシャ博士のメソッドなのである。


 体の酸化をどう防ぐ


 三〇代も半ばを過ぎると、若いころと同じように食べていると体重は増えていく。

 これをスポーツクラブなどでは「年齢とともに筋肉の量が減って、基礎代謝が下がるから」と説明している。もちろん間違いではないけれども、ショーシャ博士は、ある種の老化現象が原因なのだと考える。

 加齢によって起きる必然的な変化ではなくて、本来は避けられるのに、生活習慣などによって年齢以上に体が老化して代謝も悪くなるなどした結果、太るというのである。若いころは健康に活動していた臓器や細胞の機能が低下して、脂肪をため込みやすくなる。やせにくい体質は老化が進んだ証拠なのだ。

 老化を遠ざけて若返るために避けなくてはいけないこととして、ショーシャ博士が挙げるのが「体の酸化」である。金属が酸化した状態が(さび)だから、ぼろぼろに古びた状態もイメージしやすいだろう。
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