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人生を後悔することになる人・ならない人 パラダイムシフトの心理学
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生き方・教養
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第二章 「間違った人生観」を捨てれば、人生が変わる

『人生を後悔することになる人・ならない人 パラダイムシフトの心理学』
[著]加藤諦三 [発行]PHP研究所


読了目安時間:19分
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「幸せにはなりたいが、苦しみは嫌だ」というおかしな考え方


 人は「生きるよう」に作られているのであって、「幸せになるよう」に作られているのではない。それは明らかである。


 生きるのが苦しいときに人は「死にたい」といいながらも、やはり生きている。不幸であっても生きている。


 苦しいときに「死にたい」という。その気持ちはウソではない。しかし死ねない。


 なぜなら人は「生きるよう」にプログラムされているからである。命ある限り生きるように出来ているからである。


 人は「幸せを求めるよう」に出来ているのであって、「幸せになるよう」に出来ているのではない。


 私たちが進化によってプログラムされているのは、幸せそのものではない(註1)。


 したがって幸せになるためには並々ならぬ努力がいる。


 人間に生まれた以上苦しみは避けられない。それが人間の原点である。



 恋をすればトラブルは起きる。


 その時、「どうして?」と考える。


 そしてそれを乗り越える人がいる。


 苦しみは幸せになる絶対条件である。


 苦しまない恋人たち、努力をしない恋人たちに、ハッピーエンドはない。



 それなのに、私たちは皆幸せになりたいけど、苦しみは嫌だと思っている。そういう人がほとんどである。


 しかしそれは無理。


 煙は嫌だけど焚き火に当たりたい。


 痩せたいけど、ケーキを食べたい。運動は嫌だけど、痩せたい。それは多くの人の願いだけれども無理。

「あるがままの私を愛して」という。


 しかし、努力しないでわがままな私を愛してといっても無理。


 怠け者の私を愛してといっても無理。


 ずるい私を愛してといっても無理。


 努力していないとき、人はあるがままに生きていない。


 接する人皆を暗い気持ちにさせておいて「愛して」といっても無理。


 花が咲くのを待つ。「今、咲いて」と求めても無理。


 氷が解けるのを待つ。「今、解けて」と求めても無理。


 春にならなければ無理。


心の〓藤に直面せよ


 私は若い頃、『幸福に別れを告げよ』というタイトルの本を書いた(一九七五年、大和書房)。


 それは、幸せになりたいという欲求を断ち切ることでしか生きていけない、と感じたからである。


 ドイツのダルムシュタットという街から、「幸せになりたいという願望」を捨てて列車に乗った。

「この町に、幸せへの願いを捨てていくのだ」、そう思って車窓から見た景色を半世紀以上経っても覚えている。幸せへの願いを捨てたダルムシュタットの夕暮れの空を今もまだ覚えている。


 今でも列車に乗る前にベンチに座っていた駅の待合室を覚えている。五十年経っても、その待合室で「この荷物を見ていて」といって、席を立っていった男性を覚えている。


 そして乗った列車が、「ガタン」といってダルムシュタットの駅を出発した時を覚えている。


 その時「ああ、これで自分の人生には幸せはないのだ」、と思った。


 幸せへの願いを心の中で断ち切った。


 やがて日は暮れて車窓の景色は見えなくなった。闇夜になった。


 しばらくしてから、前の席に座っていた若い女性が、暗い山の斜面のぽつんと光る灯を指さして、「私は、あそこに住んでいるのよ」といった。そして彼女は次の駅で降りていった。



 Da wohne ich.



 その言葉を今も覚えている。おそらくその女性は、「この男性は自殺するのではないか?」と私のことを思ったのかもしれない。


 何時間も向き合って座っていたのに、一言も交わさなかったその女性が、突然去り際にいった言葉である。

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