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いつまでも若さを保つ生き方 心と脳を活かすアンチエイジング習慣術
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第十章 明るい高齢社会への処方箋

『いつまでも若さを保つ生き方 心と脳を活かすアンチエイジング習慣術』
[著]和田秀樹 [発行]PHP研究所


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 アメリカ型の発想をやめる


 日本では、バブル崩壊後に長い不況期が続いたが、その頃から日本は「マネー敗戦」と言われるほど、極端にアメリカ型の価値観を受け入れるようになった。

 アメリカ型のマネジメント、アメリカ型の雇用システムが正しい考え方であるとして、これを「グローバル・スタンダード」と呼び、次々と導入していった。

 具体的に言えば、終身雇用、年功序列、助け合い(もたれあい、ケイレツ)などの日本型の価値観から、市場原理(競争原理)、成果主義、若手の抜擢などアメリカ型の価値観への転換である。

 こうしたアメリカ型の価値観は、キリスト教文明と無縁ではない。キリスト教文明では、若さ、強さ、勤勉が絶対視される。

 このようなキリスト教の影響を強く受けた価値観が、日本の社会にうまく当てはまるとは思えない。

 日本はむしろ儒教思想や仏教思想の影響を強く受けている。儒教においては、高齢者を敬う思想があるため、キリスト教のような若さを重視する考え方とは異なっている。また、仏教では運命の受容が説かれている。

 これらの違いは、キリストと、孔子やお釈迦様との亡くなった年齢の違いから来るものではないかと思う。

 キリストは、三十歳前後の生涯であったが、孔子は七十代まで生き、お釈迦様は八十代まで生きたとされている。この違いから言えることは、キリストは高齢者の気持ちが理解できない年代で教えを説いていたということである。

 お年寄りの気持ちをよりわかっていたのは、みずからが高齢者であった孔子やお釈迦様だったであろうと思う。それゆえに、儒教や仏教では高齢者を大切に扱う。

 アメリカの価値観を日本に受け入れることは、日本固有の文化との不適合が起こる可能性があることに加えて、高齢社会化が進む日本の実状にもそぐわないと考えられる。

 あまり指摘されることがないが、アメリカは、世界の中でも特殊な国である。日本を始めヨーロッパの先進諸国の多くは少子高齢化が進んでいる。どの国も人口減少社会を迎えつつある。

 ところが、アメリカは先進国であるにもかかわらず人口が増え続けていて、人口構成も非常に若い国である。

 一九五〇年のアメリカ人全体の平均年齢は三十一歳、二〇〇〇年時点では、三十六歳である。同じ一九五〇年から二〇〇〇年の間に、日本人の平均年齢が二十六歳から四十一歳にまで上がったのとはずいぶん違っている。アメリカは、あまり平均年齢が上がっていない国、つまり、高齢化があまり進んでいない国なのである。そのようなアメリカ社会には、若さと強さを重要視するキリスト教的な価値観は適合する。

 しかし、日本のような少子高齢化社会では、東洋的な思想のほうが向いている。

 高齢化の進むヨーロッパ諸国に日本が東洋思想を普及させるくらいでないといけないのに、日本社会の実状と最も適合しないアメリカ的価値観を次々と導入しようとしてきたのである。

 世界の中でも例外的な国であるアメリカの真似をしていたら、日本社会は良くならないし、まして少子高齢化には対応できないと思う。

 アメリカ型の価値観を盲目的に導入するのではなく、日本に合った価値観、高齢者に温かい価値観を中心とした国造りをしていくべきであると私は思っている。

 アメリカ型価値観を導入してもあまりメリットがない中高年以上の世代の人たちは、自分たちが住みやすい社会にするために、アメリカ型価値観と距離を置く姿勢も大切ではないだろうか。


 年齢差別禁止法の早期制定を


 かつて私は『産経新聞』の「正論」欄に、「急がれる年齢差別禁止法の実現」という論文を書いたことがある。

 前項で述べたように、アメリカ型の価値観の安易な導入には私は賛成できないが、アメリカで導入されている年齢差別禁止法は、日本社会にとってメリットの大きい法律ではないかと思う。
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