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1分で人を動かす心理作戦!
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生き方・教養
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聞き手が話したくてたまらなくなる1分限定トーク

『1分で人を動かす心理作戦!』
[著]臼井由妃 [発行]すばる舎


読了目安時間:5分
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 私がまだ30代の小娘で、今よりずっと経験が浅かった時代のこと。


 病気の夫に代わって「え、この私がケイエイシャ?」と考える暇もなく始まった経営者稼業だったけれど、それでもようやくABCがわかりかけて、おもしろくなり始めた頃だった。


 だから、営業先でのトークはパワー大全開。


 「がんばって、いろいろ話さなくちゃ」


 思いを伝えたい、話を聞いてもらいたい。

 もう、熱意があふれまくり。どうしても話が長くなる。


 それでも私なりに、話術のテクニックをきっちり押さえたつもりでいた。


 「3分で話をまとめましょう」

 「主題を最初に告げましょう」

 「起承転結をハッキリさせましょう」


 ところが、相手の反応はといえば、なんだかにぶいような気が…、あれれ?


 本に書かれているとおりにやっているのに、なんで???


 で、観察してみたら、こちらのトークの最中に、相手の目がなんとなく泳ぎ始めるのに気がついた。話し始めて、ちょうど1分あたり。


 2分も経つ頃には、髪の毛をなでつけたり、手元のボールペンを意味もなく動かしたり、そわそわ、もじもじ。


 要は、3分もの間、聞き手を集中させるのなんて、ムリなのだ。


 とある本に「聞く側の集中力の限界は3分」と書いてあるけれど、それはきっと、ものすごく静かな癒される空間で、一対一の場合に限られると思う。


 ビジネス現場のバタバタした環境では、人の話に、3分も耳を傾けてなんかいられない。


 考えてみれば私だって、聞き手にまわれば、1分ぐらいで「そういえばA社の納期、大丈夫かしら」なんて、聞く耳半分で他のことを考え始める。


 「だったら、つかみの1分に全精力を傾けよう」


 それが私の結論。


 これは、営業を通したいからだけじゃない。

 私の気持ちとしては、話を聞いてもらう相手への気遣いの比重が大きかった。


 まずは、相手の精神状態のために。


 集中が切れた後では、いくら言葉に熱意を込めようが起承転結を凝ろうが、聞き手にはただの雑音。

 長引くだけイライラをつのらせてしまう。


 そして、相手の大事な時間をむだにしないために。


 たった十数分間でも、やり直しのきかない大切な人生の時間だ。

 私と聞き手がそれを共有するからには、最初の1分から大切にしたい。そう考えたのだ。


 トークの前にまず言うのが、「なぜ私がここに来たか」という趣旨について。


 「本日は、商品○○のご紹介に伺いました。何分ぐらいお時間をいただけますか?」


 アポイント時に伝えてあっても、きちんと確かめ直す。


 そうすると、相手はなぜか安心した顔になる。

 ほっと安心して、警戒心を解いてもらう。前置きって、大切だ。


 いよいよ1分トークに入るのだけれど、第一声は結論をざっくりと。たとえば、


 「これは、御社のご商売に役立つ商品です」


 ホント、ざっくり。


 次に、何がどう役立つのか、要点を話す。1つめはこう、2つめはこう。

 項目書きのようにセンテンスは短く、語数が増えるから修飾語は使わない。


 その代わり理由づけはきちんと入れ、数値データも披露。

 あいまいな「たいへん良い」や「すごく便利」は説得力がなくむだ。だから使わない。


 ひととおり述べたら、最初の結論を繰り返して印象づける。


 1分で話し終えるよう心がけていると、情報を整理し、手際よくまとめる力、つまり段取り力がついてくる。


 これって、ビジネスのあらゆる現場で通用するスキルだと思う。


 そして、トークの締めは、必ずこれ。


 「以上ですが、ご質問がありましたら、どうぞお願いいたします」


 実はこれ、当初は気づいていなかったけれど、1分トークの最重要ポイントだった。


 1分で話せる情報なんて、ホント限られている。だからこそ良かったのだ。


 ぎりぎりの要点しか言わないから、私が1分話し終える頃には、相手の頭にはいろんな疑問がうずまいている。


 情報不足の状態って、苦しい。だから、質問したくてたまらない。


 ということは、会話の仲間に引き込めるというわけ。


 「臼井さんさ、2つめの『デザインが斬新』って、具体的に我が社にどう役立つわけ?」


 「はい。従来品にない色・形ですので、カタログに載せていただいたときに、180%目立つんです。あ、当社比です」


 どんどん質問してもらえるし、こっちの答えをきちんと集中して聞いてもらえる。


 この質問内容から、相手の興味・関心が見えてくる。


 つまり、相手の本音が探れるのだ。

 ちょっと気をまわせば、新しいビジネスアイディアをそこからつかみ出せる。


 「そうか。情報を多くするばかりが、能じゃないんだ」


 私が営業に出始めたばかりの頃、相手はもっといろいろ話してくれた。


 私が話し下手で、どうしても情報不足だったから。それが会話を成り立たせていた。


 営業上手といわれる人は、話し方が訥々(とつとつ)というケースが多い。


 立て板に水タイプは、よ~く観察すると、一見会話が活発に見えるけれど、お客様は「うん」「そうだね」だけ。


 自分はたくさん話して満足しているけれど、「で、何を話したの?」というと、肝心なことは何も含まれていない。


 「いろいろ話してくれてありがとう。でも、それで君、結局は何が言いたいの?」


 そう聞かれるようなトークではダメ。


 「え? 私が今までお話ししたすべてが、そうです」


 「へえ。……。(会話、停まる)」


 こんな経験がある人は、つかみの1分を、もっとかけがえのない時間にしてみて。


 きっと、弾む会話が、相手からどんどんしかけられてくるはず。
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