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30代からの お金と時間の自己投資学
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生き方・教養
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まえがき

『30代からの お金と時間の自己投資学』
[著]和田秀樹 [発行]PHP研究所


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 私は、かなり昔から、人生を投資という観点から見てきた。

 これは、母親が大阪育ちで関西商人の血を引いていて、何かにつけて「そんなことをすると損だ」「勉強しておいたほうが得だ」という損得ずくで子育てをしていた影響が大きい。

 このような子育ての是非はともかくとして、私自身は、いろいろなことをやるにあたって損か得かを考えるようになった。

 大学を選ぶ際も、映画監督になりたいという希望があったのだが、文学部に入っても映画会社やテレビ局に入れる保証はないし、うまくいかなかったときに食いはぐれてしまう。医者の資格を取っておけば、自分の生活さえ切り詰めることができれば、二年に一度くらいは自主製作映画をつくることができるだろうし、何本も撮っていれば、一本くらいはいい作品が生まれる可能性もあるだろうと考えて医学部を選んだ。

 受験生のころは、かけた時間に対して勉強の内容が頭にどれだけ残るか、つまり勉強のコストパフォーマンスを常に考えて勉強していた。その結果、できない問題はさっさと解答を見て覚えてしまえ、という和田式勉強術を編み出した。

 休養も大切な投資であった。受験生のときは、睡眠時間を十分取ったほうがかえって能率が上がると感じて、寝る時間を惜しまずに、起きている時間の効率を上げることに専念した。医者の(かたわ)ら文筆業を始め、働けば働くほどお金になるようになると、若いうちからグリーン車やビジネスクラスに乗るようになった。そのほうが休息が取れて、旅先や帰ってからの効率が上がるからだ。

 自分へのご褒美を用意することも、仕事の効率を上げるための投資と考えている。

 受験生のときは、勉強が予定通りに進めば、毎週映画を観に行った。今でも、思い切って贅沢(ぜいたく)をするのは、そのほうがもっと仕事をやる気になるからだという点で投資と考えている。そのうえ、舌が肥える、目が肥えるという形で自分が成長できるなら、さらに割のいい投資ということになる。

 こうして、私は自分への投資をうまく回収して、少なくとも自分に注ぎ込んだお金以上のものが稼げる立場になったと自負している。

 ただ、生きることを何でもかんでも投資と考えるというのでは味気ないと思う人もいるだろう。しかし、一方で投資と考えるから、ちょっともったいないかなと思えるくらいお金や時間が使えるのではないだろうか?

 少なくとも、われわれの年代以上の人間は、無条件に贅沢をすることに、何か罪悪感や引け目を感じるところがあるが、投資と考えればもう少し楽にお金が使えるかもしれない。たとえば、私は老年医学を本業としているのだが、高齢になるほど心と体の結びつきが強くなることがわかっている。

 要するに心が元気だと、高齢になると衰えるはずの免疫機能も高まって健康状態もよくなるし、また感情面の老化が予防されると、頭や体を使うようになって、全身的な老化も予防されるというわけだ。

 すると、贅沢だと思っていたようなことをしたほうが、かえって健康によく、そのほうが下手をすると月に五〇万円もかかってしまう医療費や介護費用の無駄をなくすことにもなるのだ。お金を使って遊んで元気でいてくれたほうが、よほど若い世代の迷惑にならないのである。

 このように発想を変えれば、人生を楽しむことに余計な後ろめたさを感じずにすむし、また仕事面でもより生産的になれるというのが、私の人生観なのである。そして、会社や社会が将来を保証してくれない不確実な時代には、このような投資とその回収という観点はますます必要となってくるだろう。

 もちろん、このような人生観を押しつける気はない。しかし、これまで、自分の人生は「損」だったと感じている人や、もっと人生の投資効率を上げたいと考えている方にはヒントになると信じている。

 本書によって、人生の「損」が減って、「儲け」が増えれば著者として幸甚このうえない。
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