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30代からの お金と時間の自己投資学
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生き方・教養
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1 回収できなければ投資ではない

『30代からの お金と時間の自己投資学』
[著]和田秀樹 [発行]PHP研究所


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  投資は回収できてはじめて有効となる。これは人生においても同じだ。ただ、何をもって回収とみなすかは個人の価値観による。

 
「投資」という言葉を聞いて何を思い浮かべるだろうか。普通は、株式への投資、不動産への投資など、金融投資のことを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。

 実を言うと、私自身は株式投資でも、不動産投資でも儲けたためしがない。株ではかなり損をしているし、不動産でも若干プラスが出ているという程度だ。だから、()りてしまって最近はほとんど金融投資をしていない。

 しかし、私は金融投資以外の投資はかなりしてきたと自負している。たとえば、自分のキャリアに対する投資や、仕事に対する投資、趣味に対する投資、あるいは人間関係に対する投資だ。いわば自分自身への投資である。

 私の場合は、いろいろな人生投資の中で、自分自身への投資というのが、一番投資効率がよかったのではないかと思っている。

 一番お金をかけたのは留学だ。幸運なことに、二十七歳のときに書いた『受験は要領』(ごま書房/現在、PHP文庫所収)という本がベストセラーになり、多額の印税を手にすることができたため、そのお金で留学をした。

 私は「人生のうちで二回留学できる可能性は少ない」と考えて、アメリカでできる限りのことをしてこようと思った。留学の三年間で、当時の全財産といってもよい約三五〇〇万円を投資したのである。

 もちろん、普通の留学ではそれほどのお金はかからないだろうが、私の場合、アメリカでは通常の精神医学の授業以外にも、一回一万円以上かかる精神分析を毎日受けたし、出たいと思うセミナーにはすべて出た。好きなだけ本も買った。ともかく、「あのときやっておけばよかった」という後悔だけはしたくなかったので、可能な限り、お金を使おうと思ったのである。

 とはいっても、内心は清水(きよみず)の舞台から飛び降りるくらいの冷や冷やした気持ちで大金を使い果たしたというのが正直なところだ。もし、回収できなければたいへんなことになっただろう。

 しかし、心の中では必ず回収できると信じていた。

 結果的にみると、これはとてもよい投資だった。精神医学の本場アメリカで学べたことは、現在に至るまで精神科医としての仕事に大いに役立っているし、一流の精神医学の先生を師とすることもできた。

 また、留学前は受験に関する本しか書かせてもらえなかったが、帰国後は大学教授というような肩書きもないのに、心理学や精神医学の本を何冊も書かせてもらえるようになった。そうした本の印税で、留学費用はかなり回収できた。

 さらに帰国後に書かせてもらったいろいろな本のおかげで、近年は雑誌などでさまざまな分野の人と対談させてもらえるようになり、すばらしい人たちともたくさん知り合えた。留学をしたことで、人間関係の面でも、結果的にものすごく恩恵を受けたと思っている。

 こうして考えてみると、全財産を投資したけれども、仕事の面でも、人間関係の面でも、知的好奇心を満たすという面でも、十分に回収ができたと思えるのである。留学で人生が豊かになったと実感している。

 私の場合は、留学にお金を投資したわけだが、どんなことに自分の時間やお金やエネルギーを投資するかということは、その人の価値観によって変わると思う。ただし、時間や労力をただ注ぎ込むだけなら、それは投資とは言えない。何かを回収できてはじめて投資と呼べるのである。

 では、何を回収するのか。それは、自分が人生において何を得たいのかということによって違ってくる。お金を第一義的に考える人もいるだろうし、地位や名誉を強く望んでいる人もいるだろう。あるいは、人間的なふれあいが自分の人生にとって最も重要だという人もいるはずだ。心の豊かさや心理的な満足感などを求めて人生を送りたいという人もいるだろう。

 それらを得るために、どうしたらより効率的にできるのかを考えるのが、人生における自己投資術である。

 投資の原点は、まず自分が何を回収したいのか、ということをはっきりさせておくということだ。そもそも獲得目標が明確になっていなければ、投資にはならない。

 自分は人生で何を得たいのか?

 お金なのか地位なのか、それとも、仕事のやりがいなのか。温かい家庭や頼れる親友を得たいのか。知的好奇心を満たしたり、心の満足を得たりしたいのか。夢の実現を手にしたいのか。それらを考えてみることからすべては始まる。

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