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(2021/11/26 追記)

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西洋美術史から日本が見える
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ルポ・エッセイ
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おフランス考

『西洋美術史から日本が見える』
[著]木村泰司 [発行]PHP研究所


読了目安時間:11分
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 何年も前のことである。


 NHKテレビで、タレントのデーブ・スペクター氏と女優のいしだあゆみさんが司会を務める、大人っぽい音楽番組があった。そして、その夜の特集はシャンソンだったのだが、冒頭からスペクター氏が、

「ところで、どうして日本人はシャンソンなのですか?」


 と、彼独特の口調にシニカルさを交えていしださんに質問したのだ。


 私は思わず大爆笑してしまった。私も同じことを聞きたかったからだ。そして、興味深く番組の進行を見ていたのだが、その問いに対していしださんは、

「え? シャンソンって素敵じゃないですか」


 といったような、ちょっとスペクター氏の質問に対して慌てたような対応だったと思う。多分、私が推測するに、進行台本ではそのやり取りがなかったのであろう。いしださんは番組を盛り上げるためか、今度は彼にアメリカのシャンソン事情について聞いたのである。それに対してスペクター氏はとどめを刺すように、

「アメリカではスタンダードとしか言いませんよ」


 といった素っ気ない対応であったのだ。


 そのやり取りを(かた)()をのんで見守っていた私は、テレビの前で思わず膝を打ち、

「よくぞ言ってくださいました!」


 と、スペクター氏に大喝采を送ったのだ。


 そして、以前から彼のユーモアは英語に直すと最高に面白いと思っていたので、以後ますます彼のファンになったのであった。



 そうなのである。私にとっても「日本人による日本語のシャンソン」は、不思議でならない世界だったのだ。特に私の周りの、みずからも歌ってしまうようなシャンソン好きは、

「フランスって(つら)か! どんなにパリだの愛だのと連呼しても、間違ってもアンタはフランス人には見えねぇよ!」


 と言いたくなるような、どう考えてもフランスの雰囲気が(かい)()()(じん)ばかりだったからだ。

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