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入社3年目までに知っておきたい プロフェッショナルの教科書
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はじめに

『入社3年目までに知っておきたい プロフェッショナルの教科書』
[著]俣野成敏 [発行]PHP研究所


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 僕は三〇歳のとき、リストラの対象になりました。

 勤めていた一部上場企業が、業績不振のために二度にわたって早期退職者を募集したのです。割増の退職金を提示され、このまま会社に踏みとどまるべきか、それとも新しい世界に飛び出すべきか、相当迷いました。

 仮に会社に踏みとどまったとしても、あまり明るい未来は感じられない状況でした。なぜなら僕はリストラといってもせいぜい退職奨励のレベルでしたが、当初は辞める気はさらさらないと言っていた、ある五〇歳前後の人たちがピンポイントで肩を叩かれていたのを()の当たりにしたからです。彼らは何も悪いことはしていない。真面目に働いてきただけです。

 ただ彼らには一つの共通項がありました。それは「会社の言われたとおりに」真面目にやってきたというところ。おそらく当人たちにとっても盲点だったと思います。

 そのとき、僕にはまさにその人たちが未来の自分自身に見えました。サラリーマンを何年かやっている方ならわかると思いますが、サラリーマンというのは身近な人を見ていれば自分の未来がある程度リアルに想像できます。
「このままでは、いずれ俺もああなる」

 と思いました。

 僕は三〇歳までいろいろな部署を転々としていたので、専門性や特殊な能力があるわけでもない。転職しても、今より年収が下がるのは確実。ましてや起業などとんでもない。

 目の前の道がことごとく塞がれたような気がして、まだサラリーマンとして実験段階にすぎなかった自分に目立った実績がないことに焦りを感じました。

 それ以来僕は、
「サラリーマンといえども、これからはプロフェッショナルでなければならない」

 と思い、それまでの立場ややり方を捨て、行動を全面的に変えました。

 それから僕は社内ベンチャー制度に応募し、一部上場企業の正社員から片道切符を持って関連会社の契約社員として再出発し、何とかその事業を軌道に乗せて三三歳になった誕生日の四日後にグループ約一三〇社の最年少役員に抜擢されました。

 若い人たちには、過去の自分のような遠回りはしてほしくない。そう思って書いたのが、前作の『プロフェッショナルサラリーマン』です。いわば二〇代の自分に宛てて書いた手紙のようなもので、「過去の自分を救おう」というのがコンセプトでした。

 その本でサラリーマンのマインドとして必要なことはすべて言い切ったつもりでしたが、出版後に講演などをするようになり、その参加者から質問を受けたり、前作を読んだ読者から感想をもらったりするうちに、まだまだ伝えきれていないことがたくさんあると気づきました。それが、この本を書いた大きな動機です。


 この本は前作と違い、過去の自分に向けて書いたものではありません。実在する、たった一人の人物に向けて書かれています。都内の企業に勤めている二五歳の男性です。

 彼をこの本の最初の読者にすると決めて、彼の質問を受ける場を何度か持ちながら、彼に伝えたいことを全部吐き出しました。

 たった一人の人物に確実に響くように書いたことで、逆に今の若いビジネスマンの考え方や悩みをリアルに反映した内容になったと自負しています。なぜなら、彼のような人は世の中に何万人といるからです。

 それではなぜその彼を選んだかというと、真面目で、いいやつだからです。
「ほかにほめるところがないから」

 と本人は謙遜しますが、そういう人材が活躍しないのはもったいないし、大きな視点からいえば、そういう人が活躍できなければ日本はよくならないでしょう。

 二五歳といえば、だいたい入社三年目。会社や仕事のことがなんとなくわかってきて、社会の常識のようなものがつかめてくる年齢です。だからといって、すぐに会社で大活躍できるかといえば別でしょう。毎日いろいろなことで悩んでいる年頃だと思います。だからこそ、毎日をどう過ごすかが重要になってくる。

 実は二五歳というのは、ものすごく大事な年齢です。
「自分はこのくらいが限界だ」
「みんな、こんなもんだろう」

 と思って自分を成長させる努力を止めてしまう人と、そこからさらに自分を成長させていける人とで、道が大きく分かれてくるのがちょうどこの頃だからです。


 成長を目指せる人と、目指せない人の差はどこから来るかといえば、僕は単純に、まずは知っているか、いないかの差ではないかと思います。つまり、「こうすれば自分で限界だと思っているものは限界ではなくなる」「上を見れば、みんなこんなもんじゃなく、もっと努力している」ということを知ることができる環境にあるかどうか。それを知らない人は、
「自分の限界はこんなもんだろう」
「みんなこれくらいで妥協しているはずだ」

 と思い込んでしまう。

 だから、知ることはすべての第一歩です。

 次に大切なことは、努力の矛先です。大学からも講演依頼をいただくようになり、将来よりもむしろ今に迷っている若者が多いことに気づきました。確かに、「若いうちはがむしゃらに」という考え方はその通りなのですが、努力にも矛先というものがあります。ムダなことに一生懸命になるほどのムダはないからです。

 これを日本語でなんというかといえば、「無鉄砲」といいます。知っているからこそ、「どうやってトライしようか」という方法論の話になってくる。

 的に向かってきちんと狙いを定めている人は、たとえ今はパッとしなくても、数年後に大化けします。
「あの人、新入社員のときは怒られてばかりいたのに、最近どうしちゃったの?」
「彼女を採用したときはどうなることかと思ったけれど、間違いじゃなかったな」

 と言われるようになる。そのためには、どんなことをすればいいのか。あるいはどんなことをしてはいけないのか。日々をどういう心構えで過ごせばいいのか。それをこの本ではすべて書きました。

 あなたが自分自身のキャリアに対して少しでも閉塞感をお持ちなら、プロフェッショナルになるための踏み台として、この本をお役立ていただければ幸いです。

二〇一二年 十二月
俣野成敏
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