『10代の子どもが育つ魔法の言葉』
[著]ドロシー・ロー・ノルト
[著] レイチャル・ハリス
[訳]雨海弘美
[発行]PHP研究所
健康にいい習慣は、家族みんなで実践するべきだとわたしは思います。子どもがごく幼いうちから、親は自分の身体を大切にして、お手本を見せてください。日頃から、運動をしたり身体によい食事を取っている姿を、見せましょう。健康に関していえば、なによりよい習慣を子どもにもたせることが大切なのです。
同じくらい大切なのは、気軽に話ができる雰囲気です。子どもが小さいうちから、身体と健康について家族で話をしましょう。セックスや飲酒といったむずかしい話題から、歯磨き、食事、運動といった気軽に話せる話題までさまざまあります。子どもが16歳になってはじめて健康についてさとそうと思っても、なかなかうまくはいきません。もっと小さいうちから、子どもが「身体のことはお母さんに聞けば大丈夫」「健康のことならお父さんに聞こう」と思える関係を築いてください。ちょっとしたことでヒステリックに騒いだり、罰したりしては、子どもが離れていってしまいます。いつでも安心して話ができる雰囲気をつくってください。
10代にはいった子どもには、お説教したり、叱りつけたり、罰を与えたりしても、あまり効果がありません。お説教よりも、会話をしてください。話もせずに、10代の子どもとうまくつきあうことはできません。あなたが子どもに話しかけるのと同じくらい、お子さんはあなたに話をもちかけてくるでしょうか? お子さんと話をするたびに、このことを考えてください。
10代の子どもというものは、むっつりとして、会話も途中で途切れがちです。そんなときは、親はただそばにいて、待ちましょう。きっと子どものほうからしゃべりだして、空白を埋めてくれるでしょう。この年頃になれば、子どもが話してくれる範囲でしか、子どもの日々の生活はわからないのです。ですから、子どものほうから話ができる雰囲気づくりを心がけてください。
10代になれば、子どもは自分で人生を左右するような決断をくだします。親を信頼していれば、そうしたことも隠さず話してくれるでしょう。価値観を伝えてゆくのが親の役目です。健康について、正しい情報を与えるのも親の仕事です。子どもには自分を大切にできる大人に育ってほしいものです。いつまでも子どもの人生を指図することはできないと納得したうえで、日頃から子どもの話に耳を傾けられればと思います。
お酒の恐さを教える
13歳のカルメンが、お友だちのマーサの家に泊まって帰ってきました。