読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1196812
0
すぐに結果を求めない生き方 ほんとうの幸せは目に見えない
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第二章 大きな努力で小さな成果を

『すぐに結果を求めない生き方 ほんとうの幸せは目に見えない』
[著]鍵山秀三郎 [発行]PHP研究所


読了目安時間:14分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

周囲の人に支えられた冒険が冒険なのか



 昨今、著名人が冒険を試みるたびに、マスコミで話題になります。成功した人もいれば、失敗した人もおり、評価が分かれるケースもあります。


 私の考えを申し上げれば、厳しい意見かもしれませんが、最近見聞するほとんどの挑戦は冒険とはいえないと思います。なぜなら、あまりにも大きな援助で支えられているからです。自分ですべて準備したわけではない。周到な準備や用意を手伝ってもらい、周囲の人たちに補佐してもらい、何かあったらすぐ医師団に応急処置をしてもらえたり、自衛隊や海上保安庁に救助を求めたりしている。


 そうした態勢を整えないと大きな冒険にならないといってしまえばそれまでですが、多くの人のお世話になって、保険をかけてやるようなことは、冒険ではありません。自分の命をかけて、自分の力だけで挑戦すること、それが真の冒険だと考えています。


 もう一つこだわるのは、冒険の社会的意義です。その冒険は、国家や社会のためになることなのでしょうか。動機が単なる自己顕示欲にすぎないのであれば、社会にとってはあまり意義のあることではありません。別にその方の努力や業績を非難するつもりはありませんが、ほんとうの意味での冒険とは、私の中ではたいへん限定されています。


 いまは、冒険のためにスポンサーを募って資金を集めるのは当たり前のことでしょう。しかし、その時点で、冒険の持つ純粋な意義を失っているのではないかと思うのです。そんな厳格な定義では冒険家など存在しないといわれるかもしれませんが、私はそう考えたいのです。


私が尊敬する真の冒険家



 私にとって、真の冒険家だといえる人が何人かいます。その一人は加藤文太郎(一九〇五~一九三六)という登山家です。作家の新田次郎さんが書かれた伝記小説『孤高の人』(新潮文庫)という作品にその生涯が描かれています。


 加藤文太郎は、自分のしていることを他人に知らしめて有名になろうという気持ちなどさらさらありませんでした。彼の主義は、ほんとうにわかりやすくて純粋です。絶対に人と同伴しない。自分だけの力で冬山に挑戦し、必ず生還する。単独行といわれるものです。文太郎は歩くのがたいへん速かった。ひざ近くまで雪が積もっている山中を歩くときでも、ふつうの人が平地を歩くスピードで歩くことができたといいます。


 出身は兵庫県美方郡浜坂町(現・新温泉町)で、たまたま私が講演を頼まれて訪れたとき、加藤文太郎記念図書館に連れていってもらったことがあります。そこには文太郎の遺品の靴やピッケル、(はん)(ごう)、風雪の槍ヶ岳北鎌尾根での遭難報道のスクラップなどが展示してあります。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:5780文字/本文:6882文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次