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絶対、世界が「日本化」する15の理由
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政治・社会
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第五章 世界史的な目で二十世紀の百年を振り返る

『絶対、世界が「日本化」する15の理由』
[著]日下公人 [発行]PHP研究所


読了目安時間:22分
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パワーゲームの主役は日本だった



 大航海時代から十九世紀末にかけて、主にヨーロッパの白人キリスト教徒たちによって世界人類はどのようになったかを大まかに述べてきた。では、二十世紀の百年間は世界人類にとってどんな時代だったろうか。そこには日本が登場している。


 私にはどうしてもこれしか思いつかないが、第一は「白人絶対の時代が終わって、人種平等の理念が国際社会にいちおう定着したこと」である。第二は、それを日本がほとんど単独で成し遂げたことである。


 成し遂げるに当たって、この百年間は軍事的実力だけが国際社会の発言力、説得力になるという時代だったから、自分が有色人種であろうとなかろうと、日本は自らの尊厳を守るために軍事大国になった。軍事力を持つためには工業力が必要だったので、そのために日本人はまず勤勉に産業を(おこ)し、また、必死で欧米の文明・文化を吸収した。さらに精強な兵士をつくり、三百万余の血を流して自らの独立を守った。


 しかしその(かん)、残念ながら日本人以外の有色人種の大部分は白人支配を“承認”して、対等化への努力をしなかった。それはすでに国家としての独立を失っていたことが大きい。植民地支配の下、自らの国を失った結果、人々は教育の自主性を失って文盲に甘んじ、さらに経済も搾取されたが、貧窮を天命と諦め、多くの有色人種はその一生を終えた。そう考えると、日本だけが二十世紀の百年間、血を流して独立を守り通した意義は大きい。


 明治開国以後の日本の目標は「独立主権の維持発展」「東亜の安定確保による世界平和への寄与」「人種平等の確立」という三つに要約できる。


 日清戦争の勝利によって東アジアでの地歩を築いた日本は、その後、日露戦争にも勝利して世界の大国の仲間入りをした。第一次大戦を経て「人種平等」を初めて世界に訴えた国となった。


 日本が白人列強と対峙しながら独立を維持すべく苦闘した歩みは、白人近代国家対唯一の有色人種による近代国家という図式にせよ、帝国主義下における先発国と後発国という図式にせよ、常に孤独なものだった。国内には勝海舟の「日韓支三国同盟論」などがありはしたものの、残念ながら現実にはアジアだけでなく世界のどこにも、日本とともに()てるような有色人種の国はなかった。


 イギリスの歴史家トインビーが、『文明の実験』(黒沢英二訳、毎日新聞社)という著作でおおむね「一九世紀末の西欧から東方を眺めれば、トルコから清国に至る諸帝国は西欧に抵抗できなかった。インドもベトナムもジャワも、その原住民たちは羊のように従順に、ただ黙々として毛を刈り取る者に反抗しようとはしなかった。ただ日本だけがきわめて珍しい例外であった」と語ったように、白人列強に伍する日本の国力を祝福し、協同しようと表明する他の有色人種の国はなく、またそれを笑顔で迎えた白人の国はなかった。前者からは嫉妬を買い、後者からは不快感と敵意を浴びせられた。


 それでも、有色人種の誰かが立ち上がって、実力で打ち破らないかぎり人種差別は終わらなかった。大東亜戦争には世界史的意味として「人種平等の実現」をめざした事実があったが、戦勝国による東京裁判は日本人の記憶からそれを消し去ろうとした。そこにあったのは裁判の名のもとに日本を「侵略国」として断罪する白人たちの自己正当化である。


 世界史的な視野で二十世紀の百年を振り返れば、そのパワーゲームの主役は日本だった。中国も、ロシアも、イギリスも、日本と戦ったことで衰運に傾いた。ロシアは日露戦争に敗れて帝国を失い、ソ連となって第二次大戦では勝者の側にいても、「中立条約違反」と「侵略による領土獲得」という道徳的敗北を喫した。その後、同盟国として日本が支えたアメリカとの経済戦争でも敗れ、ソ連という国家は自壊した。


 中国も、清という国は日清戦争で潰れ、中華民国という孫文が建て〓介石が引き継いだ国も、毛沢東の共産党に敗れて台湾に逃れざるを得なかった。イギリスも日本を敵に回したことで全アジアの植民地を失い、英連邦は残っているとはいえ往年の大英帝国ではない。

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