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「巨大市場」の真実がみえてくる! 中国ビジネスに勝つ情報源
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第五章 実践・チャイナウォッチ!〜メディアから中国市場を読む方法〜

『「巨大市場」の真実がみえてくる! 中国ビジネスに勝つ情報源』
[監修]橋本久義 [著]加賀谷貢樹 [発行]PHP研究所


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 これまで、日本でもアクセスできる中国関連のインターネット、紙媒体、テレビの各メディアを紹介してきた。最後に、これらのメディアをフル活用し、話題の中国関連トピックについてリサーチする方法を紹介する。

 情報とは「生き物」であり、絶えず変化を続けている。そのため各テーマについて、本章の執筆時点とはまた違った展開が起こるとも限らない。だが、本章に書き記した「自分流チャイナ・ウォッチング」のアプローチと視点とを参考に、読者各自が創意工夫を凝らし、中国市場への理解を深めることを期待してやまない。


 ●中国の経済データを調べるには?


 まずは私たちが手軽にアクセスできる、インターネットの日本語情報から紹介しよう。たとえば第二章でも紹介した『人民網日本語版』に「経済データ」がある(http://j.peopledaily.com.cn/info/data-e/)が、GDP(国内総生産)や輸出入貿易総額、財政状況などの主要データに限られる。またサーチナの『中国情報局』も「中国総合データ」(http://searchina.ne.jp/business/)にさまざまな経済統計資料を掲載しているが、こちらの方がデータの数、種類ともに豊富で中国市場の現状をイメージしやすい。
『中国情報局』の「中国総合データ」における統計資料で興味深いのは、行政区別の人口、GDPなどのデータだ。二〇〇三年十二月初旬現在、それぞれ「人口・行政区別(二〇〇〇年)」「GDP行政区別(二〇〇二年)」が掲載されている。このデータによると、行政区別の人口トップは河南省の九千二百五十六万人で、行政区別GDPの一位は広東省の一兆一千七百六十九億元。ちなみに人口一千六百七十四万人(全国二十六位)の上海市は五千四百八億元のGDPを稼ぎ出し(全国八位)ている。文字通り、上海市は中国における“稼ぎ頭”である。

 企業が中国進出を考える場合、まずはターゲットとなる市場や拠点をどこに置くかという問題に行き当たる。その条件は業種・業界、あるいは個々の企業によっても異なるが、こうしたデータで、事前に各地域の経済規模を把握しておく作業が欠かせない。

 また同ホームページには「中国トップブランド一覧」という資料がある。これは中国におけるブランド製品を評価する「中国名牌戦略推進委員会」という機関が発表したもので、家庭用品・工業製品・食品・服飾における有力ブランド名が記載されている。各業界における市場動向の分析や、有力企業の商品戦略を知るうえで役に立つデータである。

 さらに、ストックホルム商科大学欧州日本研究所・鈴木賢志助教授のホームページにある「経済・社会データランキング」(http://web.hhs.se/personal/Suzuki/a-Japanese/China.html)も面白い。中国の人口や経済関連の主要データはもちろん、マクドナルドの店舗数、人口百人当たりのパソコン台数、豚肉の一人当たり年間供給量など、より市場の現状に突っ込んだ情報が豊富に得られる。中国市場の開拓や、商品・サービスの企画開発に携わるビジネスマンならば、ぜひみておきたいサイトだ。

 なお、紙媒体ならば、第三章でも紹介した月刊『日中経協ジャーナル』がお薦め。巻末の「データルーム」に各種指標が整理・集約されており、資料的価値が高い。

 次に、中国語で書かれているデータに移ろう。まず最初に取り上げるべきは、中華人民共和国国家統計局のホームページ(http://www.stats.gov.cn/)だろう。「統計公報」の項目で、一九七八年以来各年の「国民経済和社会発展統計公報」を読むことができる。また同ページには最新年度の「地方年度統計公報」も掲載されている。

 また「最新統計信息」(最新統計情報)では、全国の城鎮(都市部)における就労状況(就労人員数、労働報酬についてのデータあり)や「国房景気指数」といった詳細にわたるデータがある。ちなみに「国房」の「房」とは「房地産」(不動産)の略語で、このデータは中国の不動産市況を示す指数である。

 しかしながら、こうした統計資料には専門用語が多く、慣れた人でなければ読みこなすのに苦労する。一般の中国語辞典に出ていない単語も多いので、劉暁民著『中日 経済・ビジネス重要語辞典』(日本実業出版社)などの専門用語辞典を手元に置くことをお薦めする。あるいは、同サイトの英文ページもあわせて参照し、意味の不明確な中国語の専門用語を逐一確認するのも一案だ。

 中国で出版されている書籍については、『中国統計年鑑』(国家統計局編)が有名だが、一万数千円とかなり高価。だがビジネス用途としては、簡約版の『中国統計摘要』でも十分役に立つだろう。同書の詳しい紹介は省略するが、二〇〇三年度版のページを開くと「各地区職工平均工資」(地区別労働者平均賃金)、「城鎮居民平均毎人全年消費支出和購買的主要商品数量」(都市部住民の平均個人年間消費支出および主要購買品の数量)、「城鎮居民平均毎百戸耐用消費品年底有量」(都市部住民の平均百戸当たり年度末耐久消費財保有量)といった興味深いデータがみつかる。

 最初の「平均賃金」(二〇〇二年)の地区別データをみると、上海の二万三千九百五十九元、北京の二万一千八百五十二元という数値が目立つ。さらに業種別も加味すると、北京の外商投資企業(中外合資経営企業・中外合作経営企業・外資企業の総称)に勤める従業員の平均賃金が三万九千四百二十八元と、最も高い。これを黒竜江省の城鎮集団単位の平均賃金である五千百元とくらべると、じつに七・七倍の年収格差になる。

 ところで、北京の外商投資企業に勤める従業員の平均賃金三万九千四百二十八元を、単純に為替レート換算すると五十万八千六百二十一円になる(一元=十二・九円の場合)。この額面だけをみると、まだ日本の労働者と中国の労働者の間には、収入面でとてつもなく大きな差が開いているような気がする。

 ところが購買力平価(PPP/できるだけ同じ物やサービスの価格を基準にして、名目為替レートで算出された各国のGDPなどの数値を評価し直すために用いられる)を加味し、実質所得水準により近いレベルで日本円と中国元の価値を比較すると、また違う結果が出てくるのである。

 世界銀行の「World Development Indicators 2003」をもとにして、簡単な計算をしてみた(表参照)。世界銀行の試算によると、為替レート換算で三万二千六百一ドルの日本の一人当たりGDPが、購買力平価換算だと二万五千百三十ドルになる。この差、じつに〇・七七倍。一方、為替レート換算で九百十一ドルに相当する中国の一人当たりGDPは、購買力平価換算で四千二十ドル。
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