『子どもが育つ魔法の言葉』
[著]ドロシー・ロー・ノルト
[著] レイチャル・ハリス
[訳]石井千春
[発行]PHP研究所
わたしたちは、人を愛するとき、人生の真の喜びを感じます。愛ほど、強く大きな力はありません。人を愛し、愛されることは、人間にとって一番大切なことです。親に惜しみなく愛された子は、すくすくと育ちます。親の愛は、子どもにとって、成長に欠かせない土壌です。同時に、伸びてゆく方向を決める陽の光であり、欠くことのできない水でもあるのです。
子どもは生まれた瞬間から、いえ、胎内にいるときからすでに親の愛を必要としています。生まれたばかりの赤ちゃんは、親の愛情がなければ生きてゆけません。親の胸に抱かれ、あたたかい眼差しを注がれて、子どもは親が自分を愛してくれていることを感じるのです。子どもは、どんなに大きくなっても、常に親の愛を必要としています。親は、そんな子どもに、愛しているということを態度で示してあげましょう。子どもを愛するということは、子どもの全存在を認めるということなのです。
愛が必要なのは、もちろん子どもだけではありません。愛は、人間の根源的な欲求であり、わたしたちは大人になってからも、人のぬくもりや心の触れ合いを求めつづけます。わたしたち人間は皆、自分を丸ごと受け入れてくれる誰かを必要としているのです。
愛情は、言葉や態度に表れます。子どもはそれを敏感に感じ取るものです。口先だけで「愛している」と言ってもだめなのです。わたしは、子育て教室で、親御さんたちに、愛は三つの柱で支えられているのだとお話しします。