ビジネスシーンに良く効く「イメージ戦略」とは?
「谷澤さんは、人を外見で判断しているのですよね?」と聞かれることがあります。
答えは「イエス」。
しかし、かっこいい、美しいという判断ではなく、「魅力的かどうか」ということが大切だと思っています。
その人らしく輝き、周囲を惹きつける力を備えていなければならないのです。
この本のカバーにもある通り、私の職業はイメージコンサルタントです。
一言で言えば、「人間のパッケージ屋」。
どのような装いがその人の良さを最大限に引き出すことができるかを考え、プロデュースするのが仕事です。
個別にパーソナルカラーや体型、顔型などをロジカルに分析し、その人が一番素敵に見えるようにプロデュースするわけです。
もちろん流行は常に追いつつ、流されずに、分析者としての冷静な目を持たなくてはなりません。
本来、このような外見戦略に熱心なのは、政治家の方や企業の代表の方々です。
彼らは「かっこいい」「美しい」よりも「魅力的」であることの大切さを知っています。
どんなにかっこよくても、美しくても、感じが悪くては人の心は動かせないのです。
そのため彼らはコンサルティングに足を運びます。
周囲に好印象を与えるだけでなく、不特定多数の人の心をつかむためには、こうした努力が欠かせないのです。
そして「魅力的」な彼らは実際、多くの支持者を集めています。
しかし、このようなイメージ戦略は、決して特別な人だけのものではなく、一般のビジネスパーソンにとっても非常に有益だと私は考えています。
営業、プレゼン、商談、仕事の依頼など、ビジネスシーンには初対面が付き物です。
そこで相手にいかに好印象を与えるかが成功のカギを握っているのです。
「この人なら信頼できる」「任せてみよう」「一緒に仕事をしたい」と思わせる魅力を発揮しなければ、他社との厳しい競争を勝ち抜くことは非常に難しくなります。
先日、ある企業から通常の研修終了後、「是非社員一人一人のコンサルティングもしてほしい」という依頼を受けました。
結果として、商品を開発するのと同じくらい「社員の魅力」を開発することに力を注いだこの企業は大きく業績を伸ばしました。
このように、今や社員一人一人の魅力を企業ぐるみで引き出す取り組みが行われている時代なのです。
そして最近では、自ら個人的に費用を負担してまでコンサルティングを受けるビジネスパーソンが増えてきました。
なかにはまだ新卒の方もいらっしゃいます。
彼らには、ひと昔前の「就職先が決まれば一生安泰」という考えはまったくありません。
努力をしなければ、「いくらでも替えの利く人材」で終わってしまう。
そうならないためには、自分自身の魅力に気づき、早いうちから磨き、より優れた人材にならなくては、という強い意識が働いているのです。
もちろん、コンサルティングを申し込まないまでも、自身のイメージ戦略に関心を持つビジネスパーソンは今後も徐々に増えていくでしょう。
そうであれば、「磨いた自分」をきちんと相手にアピールする方法を知り、確実に仕事で良い結果を出していきたいと誰もが思うはずです。
そこで本書では、第一印象であなたの魅力を最大限発揮するための「イメージ戦略」について紹介していきます。
「服装」「しぐさ」「話し方」を中心に、一瞬で相手の心をつかむ好印象の作り方をコンパクトにまとめました。
この本があなたの魅力を引き出すきっかけになってくれることを祈っています。
谷澤史子