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(2021/11/26 追記)

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詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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相続税は「不動産」で減らせ! 専門家がそっと教える賢い節税法のすべて
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くらし
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第2章 相続税が節税できるノウハウ

『相続税は「不動産」で減らせ! 専門家がそっと教える賢い節税法のすべて』
[著]曽根恵子 [著] チーム相続 [監修]太田孝昭 [発行]PHP研究所


読了目安時間:47分
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1 【代々地主型】鑑定評価や広大地評価で

  9,400万円節税した前田さん(仮名)

  ―─2カ所の土地に広大地適用、1カ所の土地に鑑定評価適用


 財産と家族の状況


 被相続人:父(不動産賃貸業、80代)

  相続人:2人(長男50代〈相談者〉、二男50代)
財産の構成:自宅、賃貸アパート・マンション、貸し家、駐車場、預貯金、生命保険
家系図




 相続の状況


 前田さんの父親は、幼少のころに子供のいない母方の姉夫婦のところに跡取りとして養子に出ています。姉夫婦はたくさんの土地を所有している代々の地主で、父親は養父から土地を相続したあと、30年近く前から貸し家を建てて、賃貸業を営んできました。その後も、貸し店舗や賃貸アパート、賃貸マンション、駐車場と、自宅を除くほとんどの土地を賃貸しています。

 父親は結婚後、前田さんと二男の2人の子供に恵まれましたが、15年前に妻に先立たれ、晩年は独り暮らしをしていました。ここ数年は体調を崩し、入院生活を4、5年送ったのち、そのまま病院で亡くなりました。建物に対する借入金がありましたので、対策はできていましたが、それでもまだかなりの相続税がかかることが予想されました。


 相続の課題


 前田さんの父親は遺言は残していませんでしたが、兄弟の関係は良好で、父親から不動産賃貸業を任されていた前田さんが、普段から二男にもオープンに状況を伝えていたため、遺産分割協議の話し合いには問題ありません。はじめて前田さんと二男の2人で相談に来られたのが3年ほど前、そのときに父親の財産評価の委任をしていただいています。その後も毎年の確定申告のたびにお会いして、父親の容体をお伺いしたり、賃貸経営のアドバイスをさせていただいていたこともあり、今回も亡くなってすぐに相談に来られ、その場でコーディネートの委任をいただき、スタートしたのでした。

 前田さんの場合、減額できるのは、土地の評価です。間口が狭くて奥行の深い土地や、接道している道路の幅員が狭い土地など課題はたくさんありますが、どの土地も全体的に面積が広い土地ばかりで、なかでも1カ所に貸し家が12軒建っている土地が一番広く、今回の土地評価のポイントと思われました。

 賃貸収入はありましたが、預金が増えるたびに前田さん家族や二男家族に生前贈与をしていたということや、父親が入院してからは医療費の負担も大きくなっていたので、現金はほとんどなく、どこで相続税を捻出するかも大きな課題です。
遺産分割……遺言がないので、遺産分割協議が必要
評価・申告……不動産が多く、土地の評価がポイントになる
納税……現金はないので、どこか土地を売却しなければならない


 解決へのアドバイス

貸し家は利用形態に合わせて個別評価をする

 貸し家が建っている土地は一体で約400坪の土地で、公図上は1筆の大きな土地ですが、その中に2本の私道が通してあり、12軒の貸し家が建っています。公道に接道しているのは一部の貸し家だけで、建物は縦4棟、横4列に並ぶように配置されています。詳細な評価を出すには利用している単位ごとの地形と面積が必要です。そこで土地家屋調査士に測量と地形図の作成を依頼し、建物の配置図と各利用形態ごとの面積を算出してもらいました。個々に区画を作り、それを一つひとつ評価していくことで、減額につながります。また私道部分は、貸し家の入居者だけ(特定の人)が利用する道路なので、宅地の30%評価になります。このように、利用形態に合わせて個々に評価をすることで、貸し家部分全体で約40%評価を減額できました。



広大地評価の採用

 土地のあるエリアのうち、開発許可が必要な面積は500です。相続財産の中には500以上の土地が2カ所あり、周辺の開発状況を確認したところ、高層住宅はなく、専用住宅ばかりです。よって、相続する土地に宅地の開発許可を取る場合は、区画を計画するにあたり道路負担が必要になると判断できますので、広大地評価を採用することにしました。

 各区間ごとに宅地の区割り案も作成しました。
現況:空き地 地積:600(181坪)



現況:駐車場 地積:650(196坪)



鑑定評価の採用

 広い県道から前田さんの自宅へ向かう道路は幅員2m程度で、車1台通るのがやっとです。その通りから前田さんの自宅へ入る道路は1.8mとさらに幅員が狭くなるため、車両通行はできません。道路の入り口から自宅までの距離は約40mあり、車両通行ができるようにするためには、手前3軒の家を建て替えて、セットバックしなければなりません。また、道路に1.8mしか接道していないので敷地分割は難しく、一宅地での利用方法しかないため、開発して宅地分譲することは不可能といえます。仮に売却するにしても、利用が限られているうえに敷地面積は300坪と広すぎることから売りづらく、相続税評価と時価評価には乖離(かいり)があるように思えました。しかし、相続の評価は路線価に面積を掛けるため、面積が広いだけに、広大地評価を適用しても自宅だけでかなりの評価になってしまいます。その道路付けの悪さや開発分譲が不可能なことから、広大地評価でも高すぎると思われたため、鑑定評価をすることにしました。鑑定評価の結果、広大地評価の約半分の評価に減額することができました。
遺産分割協議

 まず処分する財産と残す財産、というように財産の色分けをしました。処分する財産は納税用として、兄弟2人で共有としました。そして自宅は前田さんが相続すると決めていましたが、自宅は収益が上がらないにもかかわらず維持費がかかるため、自宅を除くその他の財産の評価額と収益性が兄弟で同じくらいになるような分割案としました。


 ここがポイント

遺産分割
納税用地は兄弟の共有とした
自宅を除くその他の財産について、取得割合と収益性が同じくらいになるような分割をした
評価・申告
貸し家を利用区分ごとに測量して評価減した
2カ所の土地に広大地評価を適用して評価減した
自宅に鑑定評価を適用して評価減した
納税
接道条件の悪い土地と駅から一番遠い土地を売却して納税した


 相続税の節税額のまとめ

相続財産

 5億4,000万円
◆小規模宅地減額
△1,000万円……(20050%適用)
債務等
△1億1,000万円
課税価格

 4億2,000万円
基礎控除
△7,000万円……(相続人2人)
相続税総額

 1億600万円……(最終の相続税額)
◆配偶者税額軽減

 0万円
納付した相続税総額

 1億600万円……正味財産の20
当初の相続税総額

 2億円……(節税考慮なしの場合)
◆評価減の節税額

 9,400万円……
◆配偶者税額軽減

 0万円……
◆節税額の合計

 9,400万円……財産の17%が残った
◆主な評価減の合計〈1〉+〈2〉+〈3〉=△1億5,000万円
〈評価減1〉広大地の減額
△7,000万円
(※土地1空き地 通常6,000万円→広大地3,500万円)…公図
(※土地2駐車場 通常10,000万円→広大地5,500万円)…公図
〈評価減2〉鑑定評価の減額
△7,000万円
(※土地1自宅 通常9,000万円→鑑定評価2,000万円)…公図
〈評価減3〉小規模宅地
△1,000万円
※長男が賃貸する土地に適用した(20050%)
※比較→賃貸用の土地の場合、20050%適用で△861万円
※自宅と6カ所の賃貸用の土地を比較した中で一番減額が大きい場所に適用した

2 【代々地主型】自宅の隣接地を鑑定評価して

  1億1,640万円節税した山崎さん(仮名)

  ―─3カ所の土地に広大地評価適用、3カ所の土地に鑑定評価適用


 財産と家族の状況


 被相続人:母(農業、不動産賃貸業、80代)

  相続人:2人(長男50代〈相談者〉、長男の子〈養子縁組〉)
財産の構成:自宅、貸し家、駐車場、山林、畑、現預金
家系図




 相続の状況

 山崎家は代々の地主で、自宅周辺に広大な土地を所有しています。父親は公務員を退職したあと、農業のかたわら貸し家やアパートを建てて土地を維持してきました。子供は山崎さん1人だったので、孫である山崎さんの長男と養子縁組をしていました。父親が亡くなったとき、財産の半分を母親が相続し、残り半分を山崎さんと山崎さんの長男でずつ相続しています。土地はできるだけ残したかったので、相続税は相続した預金全部と土地1カ所を売却したお金で何とか納税しましたが、二次相続でも相続税の不安があるため、次の節税対策が必要です。そこで、節税対策のため自宅の隣にある貸し家6棟の入居者に明け渡しの交渉をはじめましたが、ちょうどそのころから母親の体調が悪くなり、何度か入退院を繰り返したのちに亡くなりました。
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