『[平井信義子育て教室] 「わかってほしいの」おかあさん わが子の“心の叫び”が聞こえますか』
[著]平井信義
[発行]PHP研究所
登校拒否と言っても、大別すれば思春期以前の子どもと思春期以後の子ども、つまり、小学生と中学、高校生の場合に分けられます。しかし、登校拒否とからだの発育の状態(たとえば二次性徴の発現)とは関係ありません。思春期の区分は学会でもはっきりしていませんが、私は小学校五、六年生を思春期に入れて考えています。
思春期前と後の登校拒否との大きな違いは、一つに、小学生の場合には何とか力ずくで登校させることができても、ある程度以上の年齢になると、からだが大きくなるので、それがまったく不可能となることです。思春期以後の子どもは、親や教師の力ではどうにもならない、というのが現状です。
二つめの違いは、とくに小学校低学年の子どものなかには、学校はどうしても行かなければならないところだという義務感の弱い子どもがいること、そして一、二年生ではその数が少なくないことです。