読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-2
kiji
0
0
1202712
0
競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略
2
0
0
0
0
0
0
ビジネス
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
CHAPTER9 供給プロセス(サプライチェーン)の現実

『競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略』
[著]フレッド・クロフォード [著] ライアン・マシューズ [監修]星野佳路 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:21分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


メーカーの狙いは、消費者まで届くのか?



 時には、神話と神話がぶつかり合うことがある。供給業者の「一流の神話」と販売業者の「一流の神話」が、真っ向からぶつかるときだ。


 メーカーにしろ、再販業者にしろ、消費者の価値観に合わせるのはたやすいことではないが、その商品やサービスが、取引先のビジネス様式に左右されるものであれば、なお難しくなるだろう。自社の価値観を追求しようにも、取引先の市場ポジショニングに足を引っ張られるケースが多いのだ。


 たとえば、高級車の販売店から電子機器の専門店など、高級品の再販業者が価格という要素で市場支配を目指すのは、そもそも難しいだろう。だから、商品の価値を訴えることで差別化、もしくは市場の支配を考えるだろう。一方、ペーパータオルや野菜の缶詰など、回転の速い消費財を製造するメーカーは、いかにその商品の品質や効能が良いとしても、結局は価格やアクセスで評価されることが多いと気づくだろう。


 商品の価値やファイブ・ウェイ・ポジショニングに対する消費者の評価を最終的に左右しているのは、商品・サービスと、販売チャネルとの微妙な関係性だ。この駆け引きが、街では毎日行われている。メーカーは、商品の効能やマーケティング情報を強く訴えようとするが、小売業者や再販業者は、消費者との直接のやり取りや売り場スペースを重視する。取引のコンテンツを握っているのは今もメーカーだが、取引のコンテクストを牛耳っているのは、たいていの場合、小売業者のほうなのだ。


 これは、マス・マーケットをターゲットにしているメーカーにとって、ありがたい話ではない。店頭という接点を手中に収めている販売チャネルが、消費者に対して、ますます幅を利かせるからだ。そういうわけで、消費者と直接、効果的な関係を結ぶ手立てを見つけることが、メーカーにとってますます重要になっている。


 ただしこれは、口で言うほど簡単ではない。販売業者のほうは、消費者との関係も、その関係に根ざしたデータも独占していたい、と考えているからだ。中には、クリスピー・クリーム・ドーナツ、パタゴニア、ゲートウェイのように、供給業者兼小売業者として成功を収めているメーカーもある。だが、実質成長率が伸びず、市場シェアが減り、資本がもっと魅力的な部門へと流出していくことに苦しんでいる巨大ブランドのほうが多いのだ。


 消費者は明らかに、ややこしい効能のアピールや好戦的なマーケティング・スローガン、急激な商品ラインの拡大よりも、売買のシンプルさや明快さ、スピード、簡単さを評価している。だが、消費者が評価するこうした要素を、メーカーが商品に直接盛り込むのは難しい。こうした要素は、販売業者が、売買のコンテクストに盛り込んで表現していくほうが、よほど簡単なのだ。


 消費財の分野で、プライベートブランドが台頭している理由は、このあたりにもあるのだろう。プライベートブランドは今や、食品、医薬品、量販のチャネルにおいて500億ドルのビジネスを形成している。ちなみに1996年には、300億ドルの市場だったという。


 プライベートブランドの市場シェアも延びている。1999年、プライベートブランドは、スーパーマーケットの販売個数の20パーセント以上を占めるに至り、売上高でも約16パーセントを占めた。1995年には、販売個数の18・6パーセント、売上高の約14パーセントに留まっていた。


消費者のニーズをとらえたメーカー



 しかし、メーカーのブランドが、世界のビッグ・ビジネスでなくなったわけではない。


 取引の両面──供給面と販売面──を支配すれば、競争上とても優位に立てる。たとえば、ギャップのデニム商品のように、実際に店を構えるメーカーのブランドや、消費者に直接販売しているゲートウェイ、マーサ・スチュワートとKマートのようにメーカーと再販業者が独占販売協定を結んだケース、そのどれもが成功している。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:8651文字/本文:10267文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次