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45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ
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生き方・教養
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第2章 信用(クレジット)とは何か?

『45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ』
[著]藤原和博 [発行]PHP研究所


読了目安時間:42分
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──本邦初公開! 自分の「信用度」を数値化できるチェックリスト


信用があるって、どういうことだろう?



 世の中には、「信用される人」と「信用されない人」がいる。


 各々の信用度に、仮に0%から100%と偏差値のようなものを振ったとすれば、信用度0の人はお金を貸してもらえないでしょうし、信用度100の人は1兆円でも借りられるということになります。


 こうした金融的な信用のほかに、どれほどの仕事を任せられるかでも差が開きます。あなたが社長だとしたら、信用度0の人には仕事は任せられないが、信用度100の人に多くの仕事を任せるだろうことは火を見るより明らかでしょう。


 もっと身近な問題で考えてみましょう。友人がどれだけあなたの夢ややりたいことを実現するために動いてくれるかという場合でも、信用度30の人より信用度70の人を応援するはずです。つまり、信用される人の方が、より自由な人生を切り拓けるということ。世の中全体も、そんな仕組みで動いているのです。



 だからここでは、「あの人には信用がある」とか「この人物は信用できる」というときの信用(クレジット)を「他者から与えられた信任の総量」と定義します。



 大事なことなので繰り返しますね。

「他者から与えられた信任の総量」が大きければ、より大きな仕事を任せられるでしょうし、仕事を選ぶ選択肢の幅も広がります。だから、個人にとっては、「信任」されればされるだけ、「クレジット」量が大きければ大きいだけ、人生の自由度が高くなり、自分の夢やビジョンが実現しやすくなることになります。



 信用(クレジット)は、いわば、ゲームにおける「経験値」。



 人生ゲームを有利に進めるためには、勉強や仕事を通じて、これを高めておくことが必要だというわけです。


 この章では、どうすれば信用(クレジット)=「他者から与えられた信任の総量」をより多く蓄積していけるのかを具体的に検討していきます。


 易しく言えば、「信用されるには、どうしたらいいのか?」という問いに対する答えです。



 信用(クレジット)はまた、「信頼」と「共感」の関数でもあります。


 他者があなたに信任を与えるときには、理性で信頼することもあるが、感情で共感することも欠かせないということ。しばしば、感情での共感が先行する場面も見受けられます。あえて数式で表せば信用(クレジット)〓(信頼, 共感)。


 信頼と共感をゲットしたものが、この社会では力を得ると解釈してもらってもいいでしょう。


信用がある人の10ヶ条



 中学生向けに書いた拙著『「ビミョーな未来」をどう生きるか』(ちくまプリマー新書/2006年)では、基礎編として、「高クレジット人間」のための10ヶ条を、次のように並べています。



 第1は、挨拶ができる。


 第2は、約束を守る。


 第3は、古いものを大事に使う。


 第4は、人の話が聴ける。


 第5は、筋を通す。


 第6は、他人の身になって考える。


 第7は、先を読んで行動する。


 第8は、気持ちや考えを表現できる。


 第9は、潔さがある。


 10は、感謝と畏れの感覚がある。


「挨拶ができる」「約束を守る」「人の話が聴ける」は、今でも学校教育で先生たちが一番重視する三種の神器と言えるでしょう。あるいは親が子に教える家庭教育の大原則とも重なります。


 各項目について、少し解説してみましょう。


(1)挨拶ができる。


 人間関係の基本ですね。


 人間が社会を構成して生きる以上、グローバルにも第一の原則でしょう。


(2)約束を守る。


 人間は社会の中で(たとえ家族同士でも友達間でも)様々な信用(クレジット)の取引をして暮らしています。待ち合わせに時間通り来るかどうかというように、お金が伴わない場合でも、信用をやり取りしているんです。


(3)古いものを大事に使う。


 アンティークやヴィンテージのスポーツカーが好きというような意味ではありません。祖父が使っていた古い腕時計をしている人はなんとなく信用できますよね。


 新品を次々と消費する人より、大事に使うと価値が増殖することを知っているという意味です。


(4)人の話が聴ける。


 コミュニケーションのリテラシーが高いこと。


 コミュニケーション(Communication)の語源は「communis」というラテン語ですが、「伝達」という意味ではなく、「共有の」という意味なんです。


 つまり、相手の話が聴けること、質問できること、自分と相手の共通点を見つけられることが大事なんですね。自分の考えや意志を一方的に伝えるだけでは、独り言の応酬になってしまって、相手と交流していることにはなりませんから。


(5)筋を通す。


 ロジカル・シンキングのリテラシーが高いこと。


 話が論理的でないと、たとえ感情的に共感されたとしても信頼はされないでしょう。グローバルな関係を作りたければこれが欠かせません。


 また、「あの人の生き方には一本筋が通っている」というように、テーマのある人生、ライフワークを感じさせる生き方をしている人は尊敬される。


 特に人生の後半には、この美意識や哲学性が大事になります。


(6)他人の身になって考える。


 ロールプレイのリテラシーが高いこと。


 様々な社会的役割をその人の身になって感じられるかということ。営業マンはお客さんのロールプレイ(役割演技)ができなければ商品を売れないでしょうし、編集者は読者のロールプレイをして、今だったら何を読みたいかを想像します。


 世界中を放浪したり、たくさんのバイトを渡り歩いたり、あるいは大きな病気やハンディを克服して冒険にチャレンジしたり……様々な経験を積んだ「経験値」の高い人がリスペクトされるのは、その経験を通じて多様に他者をロールプレイできる視点を獲得しているからでしょう。読書も、多様な視点のロールプレイ効果がありますから、この武器を磨きます。


 何事も、経験量の多い人にはかなわないということ。


(7)先を読んで行動する。


 シミュレーションのリテラシーが高いこと。


 これが起こったら次はこんなことになるな、と推理を働かせられる人も信用されます。天気図の高気圧と低気圧の配置から「明日は雨になるでしょう」と予測する天気予報士が典型ですが、証券マンも「中国でこういうことが起こったから、日本にはこういう影響が出る」と推理して、だったらこの会社の株が上がるだろうというように、お客様にすすめることができなければいけない。


(8)気持ちや考えを表現できる。


 プレゼンテーションのリテラシーが高いこと。


 学校の授業には「体育」「美術」「音楽」「技術・家庭」「情報」のような実技教科がありますが、これらはそれぞれの知識を習うというよりも、実は表現技術を学んでいると考えた方がよさそうです。自分の考えや思いを、体で(ダンスなどは典型的ですね)、スケッチや造形で、音やリズムで、手先で、コンピュータで、それぞれ自己表現できる技術を磨いているわけです。


 自分の考えをさっとイラスト図や漫画にできるビジネスパーソンは、仕事仲間と即ビジョンを共有できるので便利ですよね。


 どの表現技術も、50億人がスマホでつながるユーチューブ時代には、あなたがアッという間に世界に評価されてメジャーになれる(信用が一瞬にして極大化する)可能性が高まります。PPAPの世界的大ヒットがよい例だと思います。



 もう、お気づきでしょう。

(4)(5)(6)(7)(8)の5つは、私が20年前から提唱している「情報編集力」の5つのリテラシーです。


(9)潔さがある。


 超の付く高齢社会では、高齢者同士の評価として、また若者が先輩上司や年配者を見る評価としても、「潔さ」の観点がクローズアップしてきます。

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