読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-2
kiji
0
0
1203349
0
セールスウーマンが出会った心があたたまる物語
2
0
0
0
0
0
0
ビジネス
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第五話 隣でお客様の夢を見守ることができるお仕事

『セールスウーマンが出会った心があたたまる物語』
[編]本郷陽二 [発行]PHP研究所


読了目安時間:9分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


ピアニストの夢



 その日私は、親戚から借りたベルベットのスーツを着て出かけました。


 オシャレをして向かう先は、ピアニストの登竜門とも呼ばれる、あるピアノコンクールの本選会場。私が孫のように大切に思っている、T君の晴れ舞台です。



 Yさんご家族と出会ったのは、まだT君が子ども用の小さなピアノを使っている頃でした。ご夫婦は二十代で、保険は三十代になってから考えればいいと思っていたところを、ご主人が上司にすすめられて、一度相談だけでもしてみようと思ったのだそうです。


 初めて会ったとき、私は、自分の娘夫婦のことを思い出しました。


 娘たちは、子宝に恵まれませんでした。もし子どもが産まれていたら、この子くらいかと、T君を見て思ったのです。お客様のお子様に失礼だとは思ったのですが、無邪気な笑顔が可愛くて仕方ありませんでした。


 私がご夫婦に合った保険をおすすめし、その内容を説明しても、まだ二人とも、そこまで真剣には考えられない様子でした。そうして私たちが話している間も、T君は、楽しそうにピアノを弾いていました。


 まだ小学校にも入っていないのに、「チューリップ」や、「こぎつね」、「さくらさくら」など、どんどん弾いていきます。

「とてもお上手ですね。ピアノが、大好きなのね」

「そうなんです! 親バカかもしれませんが、将来はピアニストだって、よく二人で話しているんですよ」


 奥様はとても嬉しそうに言いました。奥様自身ピアノが好きで、小さい頃はピアニストに憧れており、その夢をT君に託したのだそうです。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:3471文字/本文:4115文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次