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こころを映す 京都、禅の庭めぐり
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旅行
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第四章 訪ねると心が落ち着く京都のスポット

『こころを映す 京都、禅の庭めぐり』
[著]松山大耕 [発行]PHP研究所


読了目安時間:18分
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 私は大学に進学するまで京都で暮らし、現在は妙心寺の退蔵院で副住職を務めています。学生時代と修行僧時代をのぞけば、ずっと京都におりますし、現在は「京都観光おもてなし大使」に任命いただいているので、海外からの宗教関係者や賓客をご案内する機会もたくさんあります。


 この章ではお庭とは少し離れて、京都の良さを知ってもらう、あるいは禅寺やお庭と同じように、心が落ち着いたり、自分と向き合えたりするようなスポットをご紹介していきます。


広沢池でお月見を



 まずは嵯峨にある(ひろ)(さわの)(いけ)(MAP〓〓です。第三章でご紹介した直指庵や大覚寺から歩いて行ける所にあります。ここは特にお月見のスポットとしておすすめしたいですね。


 大覚寺の横にある大沢池もお月見のスポットとして有名ですが、大沢池のまわりは、最近、有料になって自由に散策できなくなってしまいました。中秋の名月は大沢池に平安時代さながらの遊覧船を浮かべて月を見る「観月の夕べ」といったイベントも開催されているんですけれど、それ以外の時期に気軽に行くなら、自由に散策できる広沢池のほうを、私はおすすめします。


 広沢池は平安時代の中期、遍照寺の庭池として作られたとか、(うず)(まさ)や嵯峨野を開拓した帰化人の豪族・秦氏一族が溜池として作ったとか、いろいろいわれていますが、はっきりしたことはわかりません。周囲一・三キロほどの池で、日本三沢の一つにあげられています。


 広沢池の周辺の嵯峨エリアは歴史的風土保存地域。景観を守るために勝手に建物を建てることができない場所なんです。ですから池の周辺にはビルや視界を遮る余計なものが何もありません。見えるのはなだらかな山の緑と池の水面と湖畔にある木々のみ。のどかで静かな風景です。


 池の西側には観音島と呼ばれる小島があって、橋が架けられています。そこに小さな(ほこら)があるんですが、この小島のあたりから空を見上げると、お月様がものすごくきれいに見えます。これが満月なら申し分ないですね。


 禅では満月は悟りの象徴です。平安時代から古式ゆかしい場所で、その頃と変わらない満月を眺めるというのは、とても心が洗われますね。京都は夜のエンターテインメントが弱い街といわれるんですけれども、古式ゆかしい月見というのは、京都ならではの夜の楽しみ方だと思います。


 また、広沢池では、鯉が飼われているのですが、毎年十二月の第一週には、池の水を抜いて、鯉を水揚げして売るんです。鯉の洗いや鯉こくにするんですね。昔は、京都でいちばんランクの高い魚は鯉だったんですよ。貴重なタンパク源だったでしょうから、その時代からの伝統でもあるんでしょう。


 今はお刺身はお〓油で食べますが、昔は〓油がなかったからお酢でいただいていたんです。だから酢味〓がある。鯉の洗いは酢味〓で食べますよね。あれはその名残だと思います。


 池の南側は一条通ですが、この通りを東のほうに行くと、南側に茶店があるんです。夜は開いていないので無理ですけれど、昼間だったらそこでぜんざいをいただくとか。池のまわりには桜やもみじが植えてあるので、桜の時期や秋も素晴らしい。その先には桜守で有名な佐野藤右衛門邸もあります。

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