◎「友だちの専門家」の話を聞きたまえ!
みんな、そこにお座り。
これから、「友だち」や「友情」についての、おもしろい話をします。
この話を聞けば、
「なあんだ、友だちっていうのは、そういうものだったのかあ」
「どんな関係なら友だちで、どんな関係なら友だちじゃないのか、区別がついたぞ」
「1+1が2以上になる関係があるんだ」
「そんな友だちなら、ぼくはいらない!」
と思えること、間違いなし。
ぼくは、学校の先生として、小学生のほかに、中学生から大学生まで、いろいろな年の人たちに授業をしています。これまでに、たくさんの人たちに会ってきました。
そのなかで、いろんな種類の人のつながりや、友情や、仲間どうしの一体感を見たり、感じたりしてきました。
小学校のときに出会った友だちもいれば、大人になってからできた友だちもいる。
年下の友だちもいれば、年上の友だちもいる。
友だちに助けてもらったこともあるし、ぼくが助けたこともある(と思います)。
そして、どうやったら人は成長するのか、できないことができるようになるのかを研究しています。研究のなかには、人の成長と友情の関係もあります。
だからじつは、ぼくは友だちの専門家なのだ!
それでは、友だちについてのぼくの話を聞きたまえ。
◎「友だちがいないと不安だ症候群」
ほんとうの友だち以外は、いらない。
まず、この話から始めていこう。
「でも、友だちがいないと不安だよ」
たしかにそうだね。友だちがいないと、さびしいし、相談したり、遊んだりできない。
でも、「不安になりすぎる」のは少しおかしなことだと、ぼくは思う。
たとえば、携帯電話でのメールのやりとりについて考えてみよう。
メールをよく使う人の多くは、こう言います。
「メールがこないと不安だ」
「携帯にメールがこなくなると、自分だけ仲間はずれにされているような気持ちになる」
「自分には友だちがたくさんいるから、メールがたくさんくるんだ」
そして、メールの返事がこないだけで、自分はきらわれていると思ったり、メールをくれる子だけを友だちと呼んだりする。