◎話と話のつながりがわかる人になろう
読書をして手に入れられる「いいこと」を話してきましたけれど、とっておきの、決定的に大事なことを教えます。
なぜ、本を読むと頭がよくなるのか!?
その理由について、これから話していきますよ。心の準備はいいですか?
はい。
本を読むと、人の言った言葉をまちがってとらえることがなくなる。
これを、“文脈力がつく”といいます。
“文脈力”というのは、ぼくがつくった言葉なんだけれど、話の文脈をつかまえる力です。
では、文脈について説明しよう。脈というのは“つながり”です。山脈という言葉を聞いたことがあるでしょう? 山と山のつながりを山脈といいます。同じように、文と文のつながりを文脈といいます。
「前にこう言ったから、いま、この話をしている」
というのが文脈です。
そして、この文脈をキャッチして、わかる力が“文脈力”。その力のある人は、文脈力のある人。そして、じつは“頭がいい”というのは、文脈力があるということなんです。
文脈力の例を出しましょう。文と文(話と話)のつながりがわからない人だと、
「お前、バカじゃないの?」
って言われたら、
「バカって言ったな! バカって言ったな! バカって言ったヤツがバカなんだ!」
って、ケンカをするかもしれません。でも、
「バカじゃないの?」
と言う前に、言っていたことがあるはずなんだよね。たとえば、
「約束をやぶるなんて、お前、バカじゃないの?」
というのだったら、「約束をやぶるな」ということが伝えたい大事なことなのであって、「お前がバカだ」ということを言いたいんじゃないんだ。そうでしょ? それがわかっていれば、冷静に、
「ああ、オレは、人間としてバカってわけじゃないけど、約束をやぶったのはいけなかったな」
というふうに思えるわけですよね。これが文脈をキャッチする力、文脈力です。
こうやって字で書いていくと、まるでカンタンなことだけれど、実際の生活や会話では、できない人がいるんですねー。