◎レベルの高いところで磨かれる
では、次に「受験をするとどうなるか」という、受験の先の話をしよう。
こういう話が大切なのに、なかなかしてくれる人がいないだろうから、ぼくがしてあげるしかない。
キミたちは、実際のところ、受験するとどうなると思ってるんだ?
「どの中学に行くか決まるだけでしょ?」
「親が満足するからそれでいいや」
「なんとなく、受験でしょ」
なーんて感じなのかしらん。
ぼく自身、中学受験をして、小学校の仲間たちとは別れて別の中学に行くことになったのですが、それが人生のひとつの大きな転機(変わり目)になったんだよね。
その理由は、その学校に集まってきたメンバーが、「もっと上に行きたい」「レベルの高いところに自分をもっていきたい」って思う人たちの集まりだったからなんだよ。
だから、ぼくの中学ではいじめなんてなかったし、勉強するということで、足を引っ張り合うこともなかった。それは学校によって違うかもしれないけれど。
ぼくが行ってた小学校で人気があったのは、足が速いということと、けんかが強いということと、野球がうまいということと、授業中に手を挙げてよくしゃべるということ、だったんだ。そういう子たちが人気者だった。
ところが、中学に行くと変わった。
「教養がある(いろんなことを知っている)ってことを大事にしているんだなぁ」
ということがひしひしと感じられる場所だったんだ。勉強するということは、別にカッコ悪いことではないし、むしろカッコいいことなんだっていうふうにわかったんだね。
みんな、わざわざ受験というめんどくさくて、たいへんなことを乗り越えて集まったヤツらだから、切磋琢磨するんだ。
切磋琢磨というのは、もともとの意味は、玉や石などを刻んだり研いだりして磨いていくこと。そうやって仲間どうし互いに励まし合って勉強や道徳のレベルを高めていくことをいうんだ。