◎キミたちは将来、自分でお金を稼ぐようになる
いまのキミたちは、おこづかいやお年玉という範囲でだけ、お金を手に入れていると思います。黙っていても、お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃん、親戚のおじさんやおばさんが、キミにお金をくれます。
でも、
いつまでもお金をもらえると思ったら、大間違い! この『
齋藤孝の「ガツンと
一発」シリーズ』の
第
巻『
家族はチームだ もっと
会話をしろ!』にも
書いたけれど、
世の
中でキミにお
金をくれる
人は、じつはだれもいないんだ。
親だって、いつまでもお
金をくれ
続けるわけじゃない。
そう、将来は、キミたちはみんな、働いて自分でお金を稼ぐようになります。そうしなければ生きていけないからだ。そういう将来のことを、少し話しておこう。
「時給」という言葉を知っているかい? 「時」は「時間」の略、「給」は「給料」の略。一時間働いたらどれだけ給料(お金)をもらえるか、を表す言葉だね。
仕事の内容によって時給の額は違うけれど、たとえば時給が八百円の仕事だと、一日八時間働けば、八百円×八時間=六千四百円もらえる、という計算になります。
これは、だれかに雇われているという状態です。世の中では、だれかに雇われるとお金がもらえます(ほかにもお金をもらえる仕組みはあるけれど、それについてはあとで書きます)。
自分の時間を売って、雇い主に買ってもらう。もちろん、売っているのは時間だけじゃなくて、労力や技術も売っていると言えるかもしれないけれど、「時給」の場合は、とにかく働いた時間分しかお金はもらえない。だから、「時給」でお金をたくさんもらいたければ、長い時間働くしかない。
多くの人は、自分でお金を稼ぐということを、まず最初はアルバイトをすることで経験します。アルバイトは、時給でもらうことが多い。
僕も大学生のときにアルバイトをしました。家庭教師(子どもに勉強を教える仕事)もしたし、朝早く、築地というところにある市場へ行って、漁師さんたちが捕ってきた魚を運ぶアルバイトもしました。
学校を卒業したあとも、こうしたアルバイトで生活する状態がずーっと続いている人のことを、日本では「フリーター」なんて呼びます。いまの日本では、会社に勤めずにフリーターをしていても、それなりに暮らしていけるだけのお金をもらえます。