◎レッスン1 ちゃんと学校に行く
まず、学校に行くことが、お金持ちになるトレーニングだ。
えっ!? 意味がわからない?
学校に行くということは、早起きして、決まった時間に決まった場所に出かける練習だからです。これは一番大事。
学校にちゃんと行っていない人は、時間を守って、キチッキチッと集合することが身につきません。待ち合わせをしたときに遅れたり、会社に行くときに朝、起きられなかったり。そんなことじゃ、お金持ちはムリ!
決められた時間にちゃんと集合できるというのは、それだけで「信用」なんです。
学校というところは、勉強するという大事な役割があるし、ふつうはその役割にしか気づかない。でも、じつは勉強以外にも、決まった時間に決まったことをするクセを体に埋め込んでいく、という大事な役割があるんです。
だから、学校に行くべし! 遅刻せずに行くべし!
◎レッスン2 タダで仕事をやる
これ、じつは、だれもがすぐに発揮できる特殊能力。しかも、この特殊能力があれば、必ず仕事が集まってきます。
さっきも言ったとおり、仕事が自分のところに回ってこなければ、話になりません。お金をもうけるチャンスが生まれない。だから、どうしたら仕事が自分のところにくるかを考える必要がある。
それには、仕事をタダでやること。
「え―――っ!」
って思うでしょう。
「お金持ちとは、まったく逆方向じゃん!」
って。では、その理由を説明しましょう。
たとえば、ひとつの仕事があって、だれかに頼まなければならないとしよう。そのとき、AさんとBさんがいて、どちらも同じくらい、腕がいいとする。
そんなとき、どちらに仕事を頼むかを何で決めるかというと、まず料金が安いほうに頼みます。だから、「料金が一番安い=タダ」だと、仕事がどんどん集まります。
「ちょっと待て、でも料金が安いと、仕事をやってもやっても、ぜんぜんもうからないじゃないか?」
と思った人はいますか? その人はするどい。
だけど、こう考えてください。仕事は、「最初に」タダで引き受けてやるのがコツなんです。
「勉強ですから、タダでやらせてください」
って言うんだよ、まず。タダで、しかもちゃんと仕事をやると、
「おお、できるじゃないか」
と言って、ほめてくれます。ときには、
「次、これも頼むよ」
と言って、次の仕事をもらえます。次もまた、
「今度も勉強ですから」
と言って、タダでやる。
「それじゃあ、一生タダ働きじゃないか!」
って、キミたちは思うかもしれないね。とーんでもない! 一生懸命働く人に対して、ずっとタダ働きさせるような卑怯なヤツって、あんまりいないんだ。きちんと結果を出す人には、
「このあいだは、タダで悪かったね。じゃあこれからはこのぐらいの料金でどうだろうか」
というように、お金をつけてくれるんだ。
〔問題〕タダできちんと仕事をやると、キミたちは「何か」を手に入れることになる。それは、なんですか?
ここまでこの本を読んできた人は、もうわかるだろう。
〔答え〕信用を手に入れるんですね。もちろん、タダでもいいかげんな仕事じゃ、ダメだぞ。相手に喜んでもらえるくらい、きちんと仕上げなければいけないことは、当然だ。
そうやってタダで、きちんと仕事をやっていたら、「口コミ」っていうのができてくる。人から人へ、情報が伝わっていくことです。口コミが一番大事です。
キミは信用がある人だよ、っていうことになると、口コミで、
「あの人、すっごく安いお金で、ちゃんとした仕事をするよ」
って、どんどんどんどん信用の評判が広まっていくんです。すると、
「じゃあ僕も頼む」
「私もあなたに頼もうかしら」
となってくるんです。
そしたら、次にどうなっていくかというと、たとえばひとつの仕事を五千円でやっているとしましょう。ところが、仕事が増えると忙しくなってくる。キミはやむをえず、
「忙しすぎて、十分な仕事ができないかもしれません」
と言わなければいけなくなるだろう。すると、
「でも、キミにやってほしいんだ。六千円払うから、ぜひやってくれ」
ということになる。そういうことが続くと、キミの相場は六千円になっちゃうんだ。つまり、だいたいどの仕事も、六千円でやってくれ、となってくる。五千円平均でやっていたときよりも、ガンとお金が入ってくるようになる。そうでしょう? さらに、
「キミ、すごくきっちり仕事をするねぇ。この仕事はむずかしいけれど、急いでるんで、ぜひ頼むよ」