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[よりぬき]あたらしいあたりまえ。BEST101
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頭を使うか、心を使うか

『[よりぬき]あたらしいあたりまえ。BEST101』
[著]松浦弥太郎 [発行]PHP研究所


読了目安時間:3分
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 人間関係にしても暮らし方にしても、生き方にしても仕事の仕方にしても、大切なのは次の三つのうち、何を使うかです。体を使うか、頭を使うか、心を使うか。


 僕自身にもいえることですが、今の時代に生きていると、頭ばかりを使ってしまいます。年をとればとるほど賢くなるのは、いいことでもあり、危険なことでもあります。



 あるところに、自分の庭の世話をしている若者がいるとします。与えられたのは、バケツ一つだけ。知恵も経験もありません。


 そこで彼は体を使い、植物の世話をします。泉まで歩いていき、バケツをたぷたぷさせながら重たい思いをして庭に水を運び、()(しやく)ですくって()いていきます。骨が折れるし、時間もかかりますが、彼にあるのは元気な体だけなので一生懸命にやります。


 やがて若者は、「泉からホースをひけば、毎日()みに行かなくてもいいな」と気がつきます。さらに自分で水を撒かなくても、水撒きができるようにする機械を発明します。彼は経験で(つちか)った知恵で工夫をし、頭を使った作業をするようになるのです。


 若者は機械に、「朝と夕方に水を撒く」という設定をします。ただし、それが永遠にうまくいくとは限りません。「朝と夕方に水を撒く」とはある種の習慣であり、「こうすればうまくいく」と、夏の間の経験で培った若者のなかでの伝統、歴史です。


 過去の知恵だけに頼ると、状況の変化に気づくことができなくなります。冬になると夕方に撒いた水が凍てつき、植物は夜の冷え込みでぐったりします。すぐに枯れることはないので、若者は「機械に任せておけば、大丈夫」と、少しずつ弱っていく様子を見過ごしてしまいます。もしも彼が心を使って植物を見ていたら、枯れる前に元気がないことに気づいたでしょう。



 僕たちは毎日のなかで、この若者と似たことをしています。体を使う時代から頭を使う時代になり、あらゆることが便利になりました。それを否定するつもりはありませんが、心を使うことを忘れてしまうと、危ういと感じます。


 便利だからこそ、メール一つにしても心を使うべきだと僕は思います。掃除、仕事、料理。どれも頭を使う部分があって当然であり、便利さをゼロにする必要はありませんが、便利であればあるほど意識的に心を使わなければならないと肝に銘じています。


 体と頭と心。そのバランスを取らないと、しあわせというのはなかなか与えられないのではないでしょうか。


 人間関係にしても、うまくいかない場合、頭を使いすぎていることが多いようです。うまくいかないことは心を使って物事をすすめるという方向に、自分をシフトさせることが大事です。心ばかり使ってもくたびれてしまいますが、使わないと心ここにあらずになってしまいます。便利なものが増えているからこそ、心を使いましょう。「若干、心を多めに使う」、今の時代はこのくらいがいいだろうと思います。



○あいさつ、お茶をいれる、声をかける。簡単にできることこそ心を込めて。

○ときどき、心を使っているかな? とふり返ってみましょう。

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