『メンタルが強くなる60のルーティン』
[著]中谷彰宏
[発行]PHP研究所
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自分を出さないと、友達はできない。自分を出して嫌われるのは、もともと友達ではない。
友達ができない原因は、友達のつくり方を間違えているのです。
「こんなに自分は『いいね!』を押しているのに、なぜ友達ができないんだろう」
「LINEが来たら、即返事をしているのに」
「自分がどんなに忙しくても、夜、寝ていても即返しているのに」
と、友達ができなくて文句を言う人がいます。
大切なのは、即レスをしてくれることよりも、自分をさらけ出せるかどうかです。
ハダカになってホンネを言えたり、自分の弱点を見せられたりするのが、本当の友達なのです。
「自分の弱点を見せたら、嫌われるんじゃないか」と心配する必要はありません。
たとえば、「過去に1回、弱点を見せたら嫌われたことがある。だから、もう自分の弱点を人には見せられない」と言う人がいます。
嫌われた経験がトラウマになっているのです。
ところが、よく考えると、弱点を見せて嫌われた相手はそもそも友達ではなかったのです。
自分が勝手に相手を友達だろうと思い込んで、弱点を見せて嫌われただけです。
それは、友達だった人が友達でなくなったのではありません。
そもそも、最初から友達でなかった人が、「友達ではなかった」とわかったにすぎないのです。
メンタルを強くするために 13
自分の弱点も、見せよう。
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コミュニケーションとは、本当の自分を見せ合うことだ。
たとえば、同窓会に行くと、「今、なにやってるの?」と聞く人が必ずいます。
これは、聞いている側に悪意はありませんが、一番イヤな質問です。
よくあるのは、いい会社に入った人が、就活でうまくいかずに、誰も知らない小さな会社に入った人に対して聞くというパターンです。
いい会社に入った人は、自分がどこに入ったのか聞いてほしいから、まず相手に聞くのです。
その時に、「見くだされた」と思って、堂々と答えられない人がいます。
「会社名を言ったらバカにされる」と思って、ウソで話を盛ってしまうのです。
ここで「小さい会社なんだ」「今、失業しているんだ」と言っても嫌われないのが、本当の仲間であり、本当の友達です。
人生においては、こういう出会いが大切です。
見栄を張って友達づき合いをしている人は、本当の友達ができません。
見栄を張るためにウソをついて友達をつくっても、自分の中で「友達になった感」がありません。
いつも「詐称がバレたらどうしよう」と思ってビクビクしているから、安心できる友達感がないのです。
ところが、最初から弱点を見せている友達関係では、もう壊れようがありません。
すでに最低なところを、お互いに見せ合っているからです。
僕は、予備校の寮で一緒だった仲間とはずっと仲のいい友達です。
寮生活では、「どれだけ気が弱いか」「どれだけ意志が薄弱か」「どれだけ虫が怖いか」という、自分の最低な部分が出てしまいます。
虫が怖いことがバレるのは、男としては最も恥ずべきことです。
それでも、「自分より怖がりがいる」とわかると、今まで以上に仲よくなれます。