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(2021/11/26 追記)

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鶴川日記
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ルポ・エッセイ
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復刊によせて

『鶴川日記』
[著]白洲正子 [発行]PHP研究所


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 母の書いたものなどほとんど読んだことがなかった私は、復刊にあたり「はじめに」の執筆依頼をいただき、しかたなく読んでみることにいたしました。


 私と遊んでくれることなどあまりなかった母ですが、私が鶴川で暮らしてきた記憶の多くを彼女と共有していることを発見しました。


 母が鶴川での三十年間の日々を書いてから、ほぼ同じ年月が経ちました。この三十年間の周囲の変化はすさまじく、母と私が共有している記憶は、もはや我々家族が暮らしていた家(「武相荘」として公開中)の敷地の中にしかもう残っていないような気がします。昔と違って子どもたちも塾やお稽古ごとで忙しいせいでしょうか、私が小さかった頃のように、日の暮れるまで遊び回るという光景も見られなくなりました。


 今なら月も出ていない真っ暗な人気のない夜道で誰かが歩いてきたら警戒しますが、当時はおばけのほうが怖く、知っている人に決まっているので、誰かに会えばかえってほっとしたものです。そのまま、その人たちが家まで送って下さったこともしばしばありました。


 母からは直接聞いたこともない、歴史上の人物になりつつある方々のことや、私がお目にかかったことのある方たち、私の友人のお爺様のことなども書かれていて、興味深いものがありました。今後、友人たちと酒の肴になりそうな話がいっぱい書かれています。


 母が祖父(私にとっては曽祖父)について綴っている中で、朝食の際、目玉焼きを丹念に刻んで雀に与える場面があります。その同じ光景を私も祖父(母にとっては父)に、見たことがあるのも不思議に思いました。


 この本を読んでくださる皆様にも、一緒に過ぎ去った日々を偲んでいただければ、幸いでございます。



 平成二十二年一月

牧山桂子 

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