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ワンコイン心理術 500円で人のこころをつかむ心理学
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01 頼みにくいお願いでもカンタンにYESを引き出す方法

『ワンコイン心理術 500円で人のこころをつかむ心理学』
[著]メンタリストDaiGo [発行]PHP研究所


読了目安時間:6分
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最初にハードルの高いお願いをする



 何かお願いごとをするときに、相手からYESを引き出せる可能性が確実に高まる心理テクニックがあります。「ドア・イン・ザ・フェイステクニック」という手法です。


 このテクニックでは、まずハードルの高いお願いを相手にします。相手が断ってきたときに、すかさず、もう少し簡単なお願いをすると、OKをもらえる確率が高くなるというものです。


 たとえば、あなたが同僚に、企画書の作成を手伝ってほしいとします。「せめて企画書の冒頭の『市場背景』のパートだけでも、分担してもらえないかな?」とあなたは考えています。しかし同僚も忙しいですから、そのまま素直に頼むと、断られてしまう可能性が大です。


 そこで逆にあえて、「今度A社に提出する企画書なんだけど、半分書いてくれないかな」というふうに、もっと無理めなお願いをしてみるのです。同僚からはおそらく、「ごめん。それはできない」という答えが返ってくるでしょう。そこであなたは「じゃあ、『市場背景』の部分だけでも書いてもらえないかな」と、条件を下げて再度頼みます。すると「それならいいよ」という返事をしてくれる確率が高くなるのです。


 つまり、最初から「市場背景」のパートを書いてほしいとお願いすると断られていたかもしれないものが、もっと無理めなお願いをしたあとにそのお願いをすると、受けてもらえる可能性が高くなるのです。


 これは実際に心理学の実験でも、裏づけがとれています。


 心理学者のチャルディーニは、ある大学生のグループに対して、「非行少年を動物園に連れて行きたいんだけど、二時間ほど引率のボランティアをしてくれないかな?」と頼みました。するとOKと言ってくれた学生は、たった一七パーセントしかいませんでした。


 次にチャルディーニは、別の大学生のグループに、「毎週二時間、二年間にわたって非行少年のカウンセリングをしてくれないかな?」と、よりハードルの高いお願いをしました。しかし、そんな負担の大きな依頼にOKをしてくれる学生は皆無でした。そこで次に、「だったら二時間でいいから、非行少年を動物園に連れて行くボランティアをしてくれないかな?」と、先ほどと同じお願いをしてみました。すると何と五〇パーセントの学生がOKしてくれたのです。


 つまり、ドア・イン・ザ・フェイステクニックを使ったことで、承諾率は一七パーセントから五〇パーセントに跳ね上がったわけです。


 ちなみに、ドア・イン・ザ・フェイステクニックという用語は、訪問販売のセールスマンが、玄関先でお客さんと対面しながら、よくこの手法を用いて商品を売ろうとすることに由来しています。


「譲歩を引き出せた」と、交渉相手に思わせることが大事



 ではなぜ、最初にちょっとハードルの高いお願いをしたあとに、条件を下げたお願いをすると、OKをしてもらえる確率が高まるのでしょうか。


 それは頼まれた立場としては、「自分は交渉事において、相手から譲歩を引き出せた」という感覚が持てるからです。


 たとえば、あなたが家電量販店で店員と交渉しているとします。最初に「一〇万円で」と言われて首を横に振ったところ、「じゃあ、七万円で」と言われたら、「何だかすごく相手を譲歩させることができた。店員との交渉に勝てた」という感じがしませんか。あなたは喜んで七万円で商品を購入することでしょう。


 けれどもむしろ喜んでいるのは、店員のほうかもしれません。あなたはまんまと店員が仕掛けたドア・イン・ザ・フェイステクニックのトラップに引っかかったわけですから。このテクニックは、店員とあなたの関係で言えば、本当は店員のほうが交渉に勝っているのに、自分のほうが交渉に勝ったと錯覚させる効果があるのです。


 人は交渉事に勝ったと思うと、そこで約束したことをしっかりと守ろうとする意識も働きます。


 先ほどのボランティアの例で言えば、その場ではボランティアをすることをOKしたとしても、実際には当日になってドタキャンする人が中には出てくるものです。ところがドア・イン・ザ・フェイステクニックによって、一度ハードルの高い条件を断ったうえでそのボランティアを引き受けた人は、当日になってドタキャンする人の割合ががくんと落ちることが、やはり実験によって明らかになっています。


 誰だって断れずにイヤイヤ受けた用件は、気が進まないものです。しかし、ドア・イン・ザ・フェイステクニックのトラップにはまった人は、「交渉事において、相手から譲歩を引き出せた。こちらに有利な条件で妥結できた。自分はイヤイヤこの用事を受けたわけではなく、進んでその条件を引き受けたんだ」と思い込みます。だから約束を積極的に果たそうとするわけです。そして次に同じお願いをしたときにも、引き受けてくれる確率が高くなります。


最初のお願いは、あくまでも「ちょっと無理め」なものにする



 ドア・イン・ザ・フェイステクニックを使うときにはコツがあります。最初に高い条件を提示するときには、絶対にOKしてくれない非現実的な条件ではなく、あくまでも「ちょっとだけハードルが高い」条件を提示することです。


 自分自身が「これは絶対に無理だろう」と思っている条件を提示して、相手に断られたとしても、「まあ、そうだろうな」という思いを抱くだけです。すると、その「断られたのに、まったくがっかりしていない感じ」が相手に伝わり、「こいつは吹っかけてきているな」と気づかれます。がっかりしているように演技をすることもできますが、勘がいい相手であれば見破ってしまうでしょう。


 一方、ちょっとだけ無理めなお願いをすれば、「もしかしたら、この条件でもOKしてくれるかもしれない」という願望がこちら側に生まれます。すると断られたときにも、演技ではなく本気でがっかりすることができます。


 その「本気のがっかり感」が相手に伝わり、次に低い条件を提示したときに「譲歩を引き出した」という感覚を、よりリアルに相手に感じさせることができるのです。


 また、ちょっと無理めぐらいのお願いであれば、もしかしたらその条件で相手がOKしてくれるかもしれません。そのときは(もう)けものになります。


 ですから、ドア・イン・ザ・フェイステクニックでは、最初にハードルの高いお願いをするときの「条件のレベル」をどのあたりに設定するかが、とても大きなポイントになります。

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