『愛国心の教科書 誇り高く生きるための五十の話』
[著]渡邊毅
[発行]PHP研究所
ポーランド人孤児祖国帰還の願いに唯一応じた日本
十八世紀末、ポーランドは内乱につけこまれて、隣国ロシアの支配を許していました。祖国独立を求め、幾度となくポーランド人は蜂起しましたが、そのたびに失敗し、捕らえられた者やその家族は、政治犯としてシベリアに流され、飢餓と寒さと伝染病と戦いながら厳しい暮らしを強いられていました。
百数十年後の第一次大戦後に、ポーランドは、ようやく独立を果たします。しかし、まもなくロシアでは革命が起こり、革命軍とロシア皇帝派の戦いはやがてシベリア全土を覆いつくし、その混乱は、当時十万人近くいたシベリアのポーランド人たちをも巻きこんでいきました。