香辛料をたっぷり使った料理は、おいしいし、癖になります。

　異国のハーブの香り、独特の味付け、珍しいものを食べるたびに、「こんな味があったんだ」と刺激されます。

　それでも、毎日食べる基本のごはんは、ごく普通のものが心地よく感じられます。ぴかぴかの炊きたてごはんと卵焼き、ていねいに出(だ)汁(し)をとったお味噌汁。薄くスライスした雑穀パンにはちみつ、ミルクコーヒーといった平凡な食べ物。

　目新しくはないけれど、ほどほどにおいしいもの。長く食べ続けていけるのは、極端な味ではないからかもしれません。

　人との関係にしても、守り、育て、そしてなにより続けていくためには、ほどほどがいいと感じています。