読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-2
kiji
0
0
1209232
0
黒澤明「生きる」言葉
2
0
0
0
0
0
0
ルポ・エッセイ
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
一歩を踏み出そうとする時

『黒澤明「生きる」言葉』
[著]黒澤和子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:10分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


75

思い込みから解放されると、

動き出すんだ


「出来るだけ、こうだと決め付けないでいるつもりなんだけど、イメージした通りになったりするとつまんないんだ。思い込んでいるところがどこかあるんじゃないかと、思い込みから解放されようとジタバタする。追い詰まったり、反対に肩の力が抜けると、急に動き出すんだ。思わぬほうに、動き出してこれだって思うわけ」


 父のこういう話は、長嶋さん流で分かりにくいかもしれない。

「ここで、パアーッと凄くなって、映画だなぁと思うとゾクゾクする」「型にはまって面白くない時は、ズカッと踏み込んでこれでもかとやってみる」


 そういう表現が多いのである。取り付かれていると、興奮するとそうなるのである。いつも新しい手法や表現方法はないか、父は模索しているから、子どものように自分の世界に夢中になり始めると人様には言っていることが分かりにくい。


 こんな感じあんな感じ、それでも長く父と働く優秀なスタッフは気心が知れているから、それを汲み取ってくれるのである。そんな、一生懸命自分の思い描くイメージを伝えようとしている父の姿は、とても可愛かった。


76

本当に優しいということは、

強いことだ


「人間は弱いから、ついつい(ずる)(がしこ)く立ち回って、自分の中で上手に言い訳を作り上げて、本当だったことのように思い込むのが得意なんだ。


 自分の与えられた人生、何もかもに潔く責任を取るしかないんだ。本当に優しいというのは、そういう強さだと思うね」


 どう逃げ回っても出来上がった映画の全責任は映画監督にある。船の船長のように、沈没する時にでも自分だけは船に留まり、船員を皆逃がして最後まで船と共に沈む覚悟がいるんだと悟ったと言う。


 いくら人様が完全主義者だとか巨匠などともて囃しても、映画が一つの欠点もなく出来上がることなど不可能である。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:3939文字/本文:4706文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次