『面白くて眠れなくなる人類進化』
[著]左巻健男
[発行]PHP研究所
生命の素・有機物はどこから来たか
地球の最初の生物は、原始地球上の海で誕生したと考えられています。パスツールが、「いかなる生物といえどもその親からしか生まれないこと、自然発生は絶対にありえない」ことを証明したのが十九世紀後半。それまでは、科学者をふくめて大半の人が、少なくともある種の微生物は、土や水、スープなどから「自然発生」することがありえると信じていました。
この自然発生説が否定されると、「だとすれば、最初の生物はどうやって生まれたのか?」ということが大きな問題になりました。
一九二〇年代に、当時のソ連の生化学者、アレクサンドル・オパーリンが、原始地球上では、海は有機物を溶かし込んだ「原始スープ」であったと主張しました。