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日本の伝統精神 この国はいかに進むべきか
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生き方・教養
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いわゆる人造り・国造りについて

『日本の伝統精神 この国はいかに進むべきか』
[著]安岡正篤 [発行]PHP研究所


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藏書萬巻、子を教ふべし。

買地十畝、皆松を種う。

趙之謙 



この言葉は何故流行するか



 最近盛んにあちらこちらで人造り・国造りということが論議されておりますが、しかし本当を言えば余り洗練された言葉とは言い難いのであります。殊にわが日本は長い歴史と文化を持った光栄ある国家でありますから、アジア・アフリカ等の新興国家と違う。従って今更国造りなどということ自体おかしいのです。


 人造りという言葉にしても、なんだか大根作りか菜っ葉作りを連想して、決して調子の高い言葉とは言えないと思います。しかし、たまたまこれを言い始めたのが池田総理であったし、言葉そのものが誰にもわかる民衆的用語であったために、忽ち流行語になってしまったわけであります。


 その上、どうも今まで余りにも国とか人とかいうことを無視し過ぎて来ました。特に終戦後は無視するどころか、(はなは)(わい)(きよく)して参っておるのでありまして、従来の人間というものをただもう唯物的に解釈して、人間の品位とか、権威とか、使命とか、責任とか、いうようなことを全く没却してしまいました。従ってそういうことに対する自からなる反省と申しますか、良心の不満が意識的・無意識的に発してこの言葉に対する共鳴になっておると思うのであります。


 国家についてもそうであります。国家に必要な規律も、権威も、はた法律までも、一切無視して(はばか)らない。日本無責任時代・日本無法時代です。これでは国家が()たないのでありまして、或る時期が来たならば、当然これに対する反省や是正が行われなければならぬのであります。社会学的に申しますと、戦後の頽廃が自から極まるにつれて、これではならぬという国民的良心が、この人造り・国造りに共鳴させる結果になった、と解釈すべきであろうと思います。


自分自身を造ることが先決問題



 さて、先ず人造りということについて一番大事なことは、人間が物質や機械を操縦するように他人を取扱う、ということではなくて、自分自身を造るということであります。これを忘れて如何に人造りを論じても、それは単なる空論に過ぎない。


 政治家が人造りを言う場合には、先ずその政治家が、自分を立派な政治家に造り上げなければならない。自分を棚に上げて人造りを言ったところで、決して人は共鳴しないし、むしろ反感を持つでありましょう。教育家でもその通りであります。いくら学生・生徒に人造りを説いたところで、教育者自身が出来ておらなければ、却って学生・生徒は反撥するでしょう。


 そこで更に徹底して、人造りというその「人」とは一体何か、ということになるわけです。


 これについては今まで幾度も申し上げたことでありますが、例えば人間というものは、体力・精神力を含めてエネルギーが旺盛でなければならん。そこから志というものが立たなければならん。


 従って理想精神・理想に対する情熱、これに関連する見識・器量、或はいろいろの造詣(ぞうけい)・教養・信念・風格、そういったものの内容を分析・解明して、人物とはなんぞやというようなお話を申し上げたこともあります。


 又これに関連して、人間には四つの要素がある。


 第一は人間としての本質的内容とも言うべき、徳性というもの。

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