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日本の伝統精神 この国はいかに進むべきか
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生き方・教養
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東洋的民主主義

『日本の伝統精神 この国はいかに進むべきか』
[著]安岡正篤 [発行]PHP研究所


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一隅を照らすもので 私はありたい

私のうけもつ一隅が どんなちいさい

みじめな はかないものであっても

わるびれず ひるまず いつもほのかに

照らして行きたい

田中良雄 



日本人の短所



 去る五月に問題の総選挙も終り、政界ばかりでなく、経済界も教育界もその他各界を通じて、日本は今(まさ)に大きな転換期に進もうとしている。こういう大事な時に我々国民生活の根本に於て、又あらゆる国策を思考してゆく根本に於て、確固たる信念と識見を持つということが、最も民族の安定と幸福のために必要なものでありますが、そういう立場から反省する時に、日本人には種々長所もあるが、又反対の短所も少なくないようであります。今試みにその弱点を二、三取り上げて見る。


数に誤魔化され易い



 その一つは、日本人は概して数というものに()()()され(やす)いということである。数字がうまく整っていると、直ぐそれに騙される。こういうことがあらゆる点に於てあるようです。その意味で昔の大福帳というものは最も正直で内容のあるもので、これに比してバランス・シートは、系統的で整然としているが、どんなにでも誤魔化しの出来るものである。


 この両者は数という立場から、妙味あるいい対照である。だから非常に目の肥えた人は単に数字の羅列を見ないで、数字を通じて、その裏を見るのです。それが日本人には不得意で、いわゆる数字の魔力に欺かれる。


 具体的に一例を挙げると、例えば対中共貿易は片道何千ドル、何万ドル。これが成功すれば、過去に日本の貿易総額の二五%乃至二七%位迄いったのだから、今度もゆく筈で、これは日本貿易界のためには起死回生の問題だというようなことが平然と論じられる。


 処が我々の方はコマーシャル・ベースである。中共のはポリティカル・ベースである。日本は自由貿易のため業者はなかなか協定せず、勝手な競争をやるものだから、強力な専制独裁政治の中共の思う(まま)に叩かれる。非常に不利な出血輸出をやる。その上それだけの額を中共から輸入しなければならぬ。


 処が日本の欲しいものは余り無い。だから現在でも(すで)に千五、六百万ドルの受取勘定が残っている。()して中共は謀略の大家である。今度のような()(さい)な問題を捉えて態度豹変、既定契約まで破棄してしまう。かって日本貿易が総額の二五乃至二六%に達したというのは、それは数字の面だけのこと、あれは未だ日本が権威を持って実力を発揮していた時で、その主たる対象は満州であり、支那本土に於ては、そこに活動している日本人が大部分であった。

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