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(2021/11/26 追記)

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もてなしの心 赤坂「津やま」東京の味と人情
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ルポ・エッセイ
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まえがき

『もてなしの心 赤坂「津やま」東京の味と人情』
[著]野地秩嘉 [発行]PHP研究所


読了目安時間:2分
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 日本料理の板前が語る本といえば、だいたい想像がつく。極上の(まぐろ)、霜降りの銘柄牛肉、季節の(あゆ)(はも)、松茸といった高級素材を使い、しかも高度な調理技術が要求されるメニューが並ぶ。写真もことさら美麗なのが通例だ。


 ところが、この本にはそのどれも登場しない。卯の花、茶碗蒸し、焼き飯、葱味噌といった家庭料理のおかずが主体であり、ごくたまに牛肉や松茸も出てくるけれど、「安いものでいい」と注釈がついている。この本で扱うのは、あくまで、家庭で毎日食べているようなお惣菜である。


 しかし、「家庭料理しか扱っていないのは、料理人の腕がたいしたことないからだ」とは思ってほしくない。


 赤坂の割烹「津やま」は一流の店である。主人、鈴木正夫さんは和食の世界では本道を行く職人だ。「(きつ)(ちよう)」を創業した故()()(てい)(いち)氏は東京に来た時には、「津やま」に顔を見せていた。料理界の王とも言える湯木氏が「津やま」を選んだのには、ふたつの理由がある。


 まずは「津やま」が京料理ではなく、東京の味を出す店だったこと。湯木氏は東京まで来て、わざわざ京都の味を食べることはないと判断したのである。


 もうひとつの理由は「津やま」の鈴木さんが家庭料理を大切にしていたこと。「津やま」のコースには必ず家庭料理が組み込んであり、湯木氏にとっては、ほっとする味がしたのだろう。


 さて、この本はそんな一流の料理人が自らの修業時代を振り返りながら、家庭料理の作り方を紹介したものです。


 無理やりたとえてみると、チョモランマに何度も登頂したプロの登山家がハイキングの案内をつとめたようなものであり、レアルマドリードの現役ミッドフィールダーが地域のサッカー教室でパスの出し方を伝授したようなものだ。


 そして、鈴木さんはそんな難しい役目に見事にこたえてくれた。

「誰もが簡単に真似できる」レシピを考案し、おせち料理からアウトドアクッキングまで、彼が持つ技術のすべてを公開してくれた。鈴木さんとはそういう度量の大きい人でもある。



 最後に、この本は料理をしない人が読んでも参考になります。昭和三十年代の銀座の割烹で働く少年の様子が頭に浮かぶのではないか……、私はそちらにも力を入れて書きました。






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