『腐らず、枯れず、咲き誇れ! アラフォー独女の生きる道』
[著]島田佳奈
[発行]_双葉社
男友達、恋人、セフレ、婚約者、夫……とかく女性は恋愛とその周辺にいる男たちとの関係に肩書をつけたがりますよね。
あたしはまずそこに疑問を感じます。どうして世の中で定義されたポジションに強引にでも当てはめようとするのでしょう? そこに落ち着いてくれない男は認めない? そんな杓子定規な考え方しかできないから「夫」になろうと立候補する男が現れないのではないでしょうか。
もうあなたはアラフォーまで生きてきた大人の女。規格外なポジションに君臨する男やどこにも当てはめられない曖昧な関係の男もいることに、そろそろ気づいているはず。
いくら肩書をつけられる関係になったって、心(愛情)が伴っていなければ意味がありません。むしろ「恋人なのに……」「ただの友達だし……」と自分でつけた肩書に縛られ過ぎるから、そこからはみ出すような出来事に遭遇するたび無用な悩みを抱えてしまうのです。
欲しいのは男友達じゃなくて恋人。求めているのは将来の見えない恋人より一生添い遂げてくれる夫。そんな風にフィルタリングするのは、いい出会いを遠ざけるだけ。
逆の立場で考えてみてください。
「君と恋人になるのはいいけど、結婚は考えられない」
それはあなたが好きな男に一番言われたくないセリフではないですか?
婚外恋愛や三角関係を一度でも経験したことがあるならば、ふたりの関係を肩書に当てはめることの無意味さはわかっているはず。恋人ではないし、友達でもない。妻にもなれなければ、セフレほど軽い気持ちでもない。不倫や浮気なんて陳腐な言葉で片付けたくない、先の見えない恋愛とわかっていながら夢中になってしまう、熱くてピュアな想い。
恋愛感情は株価のようなもの。瞬間風速的に高騰することもあれば、急降下することも、どうしようもなく塩漬けするしかないような時期もあります。
そこで「私たちは恋人として付き合っているんだし」という肩書に縛られてしまうと、身動きが取れなくなってしまいます。
アラフォー独女の今、二十代の頃と同じスタンスで恋愛をしていたら、あっという間に五十歳になってしまいます。ただでさえ恋愛や結婚へのハードルは若い頃より高くなっているのですから、肩書と関係性が矛盾するような付き合いをしているヒマはありません。
恋人として付き合う契約をするのは別にいいのです。しかし仮に彼があなたの恋人になった途端に安心(油断)して「釣った魚に餌をやらない」モードに変貌しようものならば、あなたは「どうしたらいいのかな」と悩むより、毅然と契約解消を申し出たほうが得策です。
もちろんそんな彼であろうと、あなたが惰性で付き合うことに悩んでいなければ、そのままでいいのです。お互い怠惰でいるのが楽ならば、お似合いですからね。
恋人の定義もさまざま。あなたが望む「恋人としての付き合い方」に当てはまらない相手を、無理に恋人という肩書に押し込めるのは、あなたにとっても彼にとっても窮屈でしかありません。だったら、肩書に縛られない「ふたりだけの関係」を新たに作ったほうが、ずっと気持ちよく付き合えるのではないでしょうか。
恋心という不安定なものは、その時々に合った多彩な関係でいるほうが楽しめます。どちらからともなく自然と結婚する流れになったときは、不安なく独女を卒業することができるはず。
肩書に固執することから自分を解放するだけで、多くの男女関係は風通しがよくなります。結婚という法で定められた契約に判を押すまでは、もっと自由に恋愛しましょう!