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「源氏物語」禁断の恋に苦しむ女たち
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ルポ・エッセイ
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はじめに

『「源氏物語」禁断の恋に苦しむ女たち』
[著]八坂裕子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:2分
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『源氏物語』のテーマ。


 それは“心”だ。


 ストーリー上の主人公は光源氏だが、実際の主人公は“心”である。


 光源氏という超美形の磁力と求愛力を持つ男をめぐり、時を縦糸に、人びとの心を横糸に織りあげたのが、『源氏物語』だと思う。


 恋から恋へ。


 光源氏は、気になる女たちに急接近し、言葉、表情、しぐさ、行動などありったけの力で口説き、自分の意に添わせようとした。


 彼は口説くことを楽しむ。


 しかし、そんな彼だって完璧ではなく、口説く力不足の場面が多々あった。


 一方、女たちは彼に口説かれたことをきっかけに、自分の中に眠っていた感情に目覚め、何かに気づき、何かを発見し、変わっていく。


 まるで光源氏が触媒であるかのように、それぞれの女たちが彼との出逢いで化学反応を起こして、少しずつ成長するのだ。


 口説くこと。口説かれること。


 生きる上で、口説く力はバカにできない。

『源氏物語』は、貴族社会の人びとのゆったり丁寧な感情生活を時代背景に書かれている。


 その感覚は、(いくさ)に明けくれていた時代とは大きく異なるものだろう。

『源氏物語』には、“心”と“もてなす”の言葉が数多く現れる。


 心をもてなすこと。


 二十一世紀の今、あらゆる人間関係で、心をもてなすことは欠かせない。心のもてなしに国境はなく、時差もない。


 心をもてなすことは、つまり口説くことでもあるのだ。


 光源氏のみならず、むしろ彼よりも口説く力を持つ登場人物がたくさん描かれ、その例が満載の『源氏物語』は、ここへきてやっと私たちにとって身近な存在になったのである。


 コミュニケーションとは何か。


 それを上達させるヒントは、口説く力を身につけることにあるのかもしれない。


 想いを伝える難しさ。伝わったときの喜び。一言が出ないもどかしさ。根気よくつづけた先の実り。


 作者が伝えようとした、男と女の無数の感情と心のもてなし方をたどりながら、『源氏物語』が発するエネルギーを吸収し、今を生きる力にできたら素敵だ。


 そのとき、きっと紫式部はニッコリして、つぶやくにちがいない。

「やったわ! 私、一〇〇〇年先を見越して書いたの」と。

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