『資格で起業 ノーリスクで年収3000万円稼ぐ方法』
[著]丸山学
[発行]PHP研究所
1 自分の経歴・年齢・性格で起業戦略は変えなければいけない
「私は××なのですが、○○士としてやっていけるでしょうか?」
これは、よく受ける質問です。
最初の××には、人によって違いますが、たいていはネガティブな言葉が入ります。
「学歴がないのですが──」
「年齢がいきすぎているのですが──」
「歳が若すぎるのですが──」
「実務経験がないのですが──」
「営業が苦手なのですが──」
「お金がないのですが──」
「ずっと公務員で民間の感覚がないのですが──」
「女性なのですが──」
「人脈がないのですが──」
……このように不安になるのもよく分かります。
世の中の情報というのは、物事を分かりやすく説明するためにステレオタイプになっているからです。
「士業というのは、中小零細企業の社長を相手にするのだから社会人経験は必須である」
「士業は開業しても3年は食えないから、3年生活できる貯金がなければ独立できない」
などといった具合にです。
口コミやメディアの情報というのは、どうしても分かりやすく加工されて伝わるので、それは仕方のないことです。もし、「士業というのは、中小零細企業の社長を相手にするのだから社会人経験は必須である。但し、それには様々な例外があって……」なんてやっていたら伝わりにくくて仕方ないですから。
しかし、「××じゃないとダメだ」という発想は、それこそが資格に依存した発想です。
資格起業を目指すならば、そんな情報を逆手に取るぐらいの気概が必要です。
そもそも「起業」というものは、弱点を強みに変えていく能力が求められるのです。
起業時は誰でも弱者です。起業時から、資金が潤沢にあって、知名度があって、有効な人脈をいっぱい持っていて……なんてことはあり得ません。どちらかというと、弱点のオンパレードです。しかし、起業家はその弱点を一個ずつ強みに変えていくのです。
たとえば、大学生のうちに行政書士として登録・開業した人がいます。
従来の士業の世界では、社会人経験もなく開業するなんてかなり非常識です。
彼は、行政書士として登録する前から私が主宰している開業セミナーを受講していたのですが、そこで営業上のヒントを掴んで在学中に行政書士として登録・開業をしてしまいました。
もちろん、会社の仕組みなんて全く知りません。本気で「課長と部長って、どっちが偉いんですか?」と、言っていたほどですから。
彼は、多くの行政書士が顧客とするような中小零細企業は初めから相手にはしませんでした。