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微分・積分を知らずに経営を語るな
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第4章 微分・積分マーケティング

『微分・積分を知らずに経営を語るな』
[著]内山力 [発行]PHP研究所


読了目安時間:27分
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 ビセキを拒否するマーケティングの世界

 今度は、マーケティングをビセキ的思考でとらえてみましょう。

 マーケティングとは、マーケットについて考えることをいいます。

 マーケットとは、売る人、買う人がたくさん集まって、そこで商品を売買する“市場”のようなイメージのものです。もっとはっきりいえば、企業で考えるマーケティングは、“売るための努力”と定義してもよいと思います。

 ビジネス分野では、生産、ITがバリバリの理系、経理が数字を使う中途半端な文系、マーケティング(セールスもこの一部)はバリバリの文系です。

 マーケティングのプロフェッショナルのことをマーケターとよびます。マーケターのイメージは、文系特有のヒラメキ、センス(ともに科学的説明が難しい)があり、感性、フィーリングを大切にする人たちです。ヒゲをはやした広告マンといったギョーカイ人的な像が浮かびます。

 彼らの共通点は、カン、ヒラメキが強すぎて、“結果以外の数字”はほとんど使わないことです。プロセスよりも結果であり、プロセスを大切にする数学からは、もっとも離れた人というイメージがあります。
「微分・積分に代表される数学なんて学者と学生のお遊び(ヽヽヽ)だろう。そんなんでメシが食えるか。だいたい、方程式なんかでビジネスが決まったら仕事なんておもしろくない。買う人の気持ちが数学で証明できるか!」――これが本音でしょう。

 こうしてマーケティングの世界では、(かたく)なに数学が、さらには数学的発想(論理性)さえも排除され、少しでもそんなことが話題にあがると、「机上(きじよう)で考えたってダメだ。答えは現場にある。売れてナンボだろう。能書き言う前に体で示せ!」――このように大きな声で(ヽヽヽヽヽ)言われてしまいます。

 しかし逆に考えれば、マーケティングは数学の象徴であるビセキにとって、まさに宝の山(ヽヽヽ)です。「よくここまで、人類の知恵である数学を使わずにやってきたな」と思います。

 ちょっとビセキを使えば、マーケティングが大好きな「差別化」(ヒトとは違うことをやる)ができます。

 さあ、マーケティングに、軽くビセキのメスを入れましょう。


 

 商品ライフサイクル、4つの時期

 マーケティングの原点というべき“商品ライフサイクル”から考えてみましょう。

 多くの商品は、マーケットでの売上をたて軸、時間(その商品が生まれてから死ぬまで)を横軸に取ると、次の図のような曲線(商品ライフサイクル曲線という)となります。マーケティング的にいえば「商品がマーケットに導入され、買い手に認知され、購入がくり返されることで次第にマーケットは飽和し、代替品の誕生とともにマーケットから消える」という“商品の一生=商品ライフサイクル”です。いかがでしょうか。次の図のような曲線を見たら、「ビセキが使えそう」と感じる人も増えてきたのではないでしょうか。

 商品ライフサイクルは、次の4つの時期に分けるのが普通です。ちょうど人間の一生を幼児期、青年期、中年期、老年期に分けるのと似ています。

 
導入期:商品認知(この商品があることを“買うべき人”が知ること)がなされておらず、マーケットでの売上の伸びが小さい時期
成長期:商品認知がなされ、売上の伸びが大きくなる時期
成熟期:需要が安定し、売上の伸びが止まる時期(マーケットの飽和と表現される)
衰退期:別の新商品の登場などで、売上の伸びが落ちてくる時期

 

 この4つの時期は伸びというキーワードによって分けられていることに気づくと思います。

 そうです。伸びといえば微分係数です。

 4つの時期は、マーケット全体の売上を表わす“商品ライフサイクル曲線”の“微分係数”によって分けられています。

 この曲線の微分係数は、導入期は小さなプラス、成長期は大きなプラス、成熟期はゼロ(したがってマーケットでの売上は最大値)、衰退期はマイナスです。


 

 変化点をさがせ

 マーケティング戦略を考える時、導入期から成長期、成長期から成熟期、成熟期から衰退期への変化点が大切となります。

 導入期から成長期へ切り替わるタイミングに気づかないと、波に乗って売るチャンスを逃します。「まだそんなには売れないだろう」。

 成長期から成熟期へ変わっていることを知らないと、過剰投資で会社の経営をおかしく(ヽヽヽヽ)します。「まだまだ伸びるだろうから、もっともっとプロモーションで勝負してカネをかけて……。あれ伸びない」。

 成熟期から衰退期に変わっていることに気づかないで何の手も打たないと、いつかはリストラ(余剰人員の整理、オフィス縮小、工場の閉鎖……)という非常事態を迎えることになります。

 時間はアナログで連続しています。そのため、人間はどうしても昨日と明日は同じ状態だと考えてしまい、その変化に気づくのが遅くなります。デルタな(ごく小さな)時間の動きを見逃さないことです。
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