『モテすぎて中毒になる 男女の心理学』
[著]神岡真司
[発行]すばる舎
◆会話中、予告なしで「上の空」になる男性脳の仕組み
男性と会話している最中に、男性が突然黙り込んだ――という経験をお持ちの女性も多いはずです。
しかし、「そんなことあったかな?」と気づいていない女性も少なくないかもしれません。
なぜなら、女性のほうは、男性に向かってそのまま話し続けることが多いからです。
女性「ねえ、そう思わない? だってそうじゃない、それって何なのかなあ……」
男性「……………………」
女性「あたしねえ、思ったんだけど、あの人が最初に言ってくれてればよかったのよね」
男性「……………………」
女性「そうでしょう? ねえ、あたしの考えのほうが当たってると思わない?」
男性「……………………」
女性「ねえ、どうしたの? 気分でも悪いの? ねえ、どうしたのよ、返事してよ」
男性「……ああ、大丈夫。気分は悪くないよ……」
女性「私がいってること、変じゃないでしょ?」
男性「うん……、ああ、変じゃない。そう思うよ……」
女性「でしょう。だから、あたしって、それをあの人にいったほうがいいと思ったのよ」
男性「ん、まあ……そうだね。それがいいと思うよ……」
男性はこんなふうに、時々、貝が殻を閉じるように黙り込むことがあるのです。
女性との会話中でも、何かを思いつくと、それについてひとしきり考えないと落ち着かず、まずは1人の世界に没頭するのです。当然ですが、女性との会話は上の空ですが、別段、会話を交わしていた女性に悪気があるわけではないのです。
ふと、何かを考え込んでしまった――ただそれだけのことなのです。
なぜ、男性がこうなるかといえば、「モノタスク」の脳だからです。
何かで気をとられると、そのことだけに、しばし思考を集中せざるをえないからです。
◆男が逃げてしまう女の危険な話し方
男性が突然、殻を閉じたように黙り込んでしまった時、会話中の女性がとる対応は、だいたい次のようになるでしょう。
★構わずに自分の話を一方的に続ける。
★自分の問いかけへの返事を催促する。
★何を考え込んでいるのか問い質す。
しかし、いずれも正しくない対応です。
男性が殻にこもって押し黙ったら、しばし放っておくことが一番になります。
男性が、何かのことで、考えを集中しはじめたら、それ以外のことを考えられなくなるからです。
女性が話を続けても耳に入らないし、返事を促しても答えようがないし、何を考えているのかを問い質すのは、最もよくない対応になるのです。
男性は、自分一人で物事を考え、結論を導こうとする習性があります。
女性から、何を考えているのか問い質されるのは、自分の世界への侵入を試みられていますから、なおさら殻に閉じこもりたくさせるのです。
こんな時、女性は、女性同士の時のように、習慣で共感的に接しようとするものです。
「どうしたの? 何か心配事でもあるの? ねえ、あたしにも話してよ」
男性には、こうした問いかけは、「あなたが頼りないなら、私が助言してあげるよ」と聞こえます。男性にとっては、プライドを傷つけられる女性の対応になってしまうのです。
男性は、基本的に他人からのアドバイスは、自分が求めた時にしか、参考にしようとは思いません。男性は、プライドの高い生き物だからです。
考え事で黙り込んだ時に、アレコレ邪魔をされるとウザイと思うよりないからです。
女性へのアドバイス
男性が黙り込んだ時は、放っておくことが男性への最高のおもてなしになります。