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闇のファイル 戦火の陰に潜む人間像
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歴史
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第8章 ドイツがソ連に侵攻した日

『闇のファイル 戦火の陰に潜む人間像』
[著]吉田一彦 [発行]PHP研究所


読了目安時間:19分
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ヒトラーのバルバロッサ作戦



ドイツ軍の破竹の進撃



 ヒトラーがバルバロッサ作戦を発動して、ソビエト領内に侵攻を開始したのは一九四一年六月二十二日午前三時三十分のことである。戦史に名高い独ソ戦の火ぶたが切って落とされたのである。約二〇〇〇キロに及ぶ情け(よう)(しゃ)のない死闘の始まりであった。世界が息をのんだ瞬間でもあった。


 一九三九年に調印されて世界を(きょう)(たん)させた独ソ不可侵条約の取り決めによって、ソビエトからの原材料を満載した貨物列車がドイツ領内に入っていったが、電撃作戦の開始はそれから数時間も()っていなかった。


 ドイツ国防軍最高司令部(OKH)はこの作戦にドイツ軍地上兵力の七五パーセントを充当した。内訳は一四八個師団、三〇五万の兵力で、その内の一九個師団は機甲師団であった。これに同盟国のフィンランドとルーマニアが(きょ)(しゅつ)した六五万余の兵力が加わった。


 この大軍を支援するのは戦車三六四八(りょう)(ドイツ軍が保有する全戦車数は五六九四輛)、大小口径砲七一八四門、航空機二七七〇機(ドイツ軍が保有する航空機の六五パーセント)、自動車六〇万台、()(ひつ)六二万五〇〇〇頭であった。ドイツ軍は輸送手段を馬に依存するところが大きかった。


 対するソ連軍は一七〇個師団約三〇〇万の兵力(総兵力五七〇万)を西部軍区に配置していた。航空機は七一三三機(ソ連軍全体の保有機数は一万三二八八機)、戦車一万四〇〇〇輛から一万五〇〇〇輛(総数は二万四〇〇〇輛)、大小口径砲三万四六九五門(総数六万七〇〇〇門)がドイツ軍を迎え撃つことになり、数的には相手を上回っていた。


 しかし不意を突かれたソ連軍の前線はあっけなく突破され、地上軍も空軍も(かい)(めつ)的な損害を受けて(そう)(くず)れとなった。攻撃開始から八日間でドイツ軍は四〇万余のソビエト軍を包囲して孤立させることに成功した。


 ドイツ空軍は開戦初日に一二〇〇機のソビエト軍機を破壊し、最初の一週間で総計八〇〇〇機の戦果を挙げている。


 さらに加えてソビエト軍の制服を着用したドイツ軍特殊部隊は、ソビエト軍の背後で通信施設、橋、弾薬集積場等を破壊して混乱に輪をかけた。


 ドイツ軍の攻撃は三波に分かれて行なわれた。まず北方軍集団は東プロイセンから進撃して一カ月でレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)を落とすのが任務であり、中央軍集団は二手に分かれてミンスクとスモレンスクを攻略し、そのあとでモスクワに攻撃を指向する。南方軍集団は、ウクライナの首都でロシア第三の都市キエフを陥落させたあとで、ドニエプル川の流域を()て黒海沿岸に向かうことになっていた。


 進撃がとくに()()ましかったのは中央軍集団所属の第二装甲集団で、指揮官ハインツ・グデーリアン上級大将はヘルマン・ホート上級大将()()の第三装甲集団と共同作戦を実施し、ソ連軍の防備の弱点を突いて劇的な快進撃を続けた。


 戦車戦の(ゆう)であるグデーリアンに(ひき)いられた戦車隊は、六月二十六日までにソ連領内一二〇キロの地点に進出し、ミンスクの南九七キロに達していた。その間、ホートの部隊は北に()(かい)していて、二十七日にはミンスクの包囲網が完成した。




 ミンスクにおけるドイツ軍の戦果は目覚ましいものがあり、()(りょ)三〇万、戦車二五〇〇輛、大砲一五〇〇門を獲得した。

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