『ビジネス教養としての宗教学』
[著]白取春彦
[発行]PHP研究所
妻に払う契約金
コーランには、結婚するための資金についての記載もある。
「どうしても結婚資金が調達できない者は、アッラーが大御心から金持ちにして下さるまで禁欲で行くこと」
「妻たちには贈与財をこころよく払ってやれよ。だが、女の方で汝らに特に好意を示して、その一部を返してくれた場合には、遠慮なく喜んで頂戴するがよい」
ここにある贈与財は、結納金とか婚約金、結婚資金と訳されている場合もある。
これは結婚契約のときに夫の側から妻の側に贈る財であり、聖典とされるコーランが命じるずっと前からアラビアにあった風習の一つである。つまり、女を買い取る代金であったわけだ。