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40代でグンと伸びる人 40代で伸び悩む人
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生き方・教養
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第五章 伸びる40代は、「ものわかりのいい大人」にならない

『40代でグンと伸びる人 40代で伸び悩む人』
[著]テリー伊藤 [発行]PHP研究所


読了目安時間:40分
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「オジサン」になったら、「オバサン」に学べ



 私は40代の皆さんに訴え続けたい。40代こそ大逆転のチャンスであり、40代ほど仕事も人生もイケイケの時期はない。


 ところが、いまの日本を見渡すと、どうも元気がない40代の人たちがいる。とくに男に「疲れたオジサン」が目立つ。そこで、そういうオジサン化している人が元気モリモリになって、ここから逆転劇を演じていくための秘策を考えてみた。


 というわけで、男性読者は文字どおりに読んでいただけばそれでいいが、女性読者は「企業社会で生きているうちに、つい自分の中にオジサン的な部分が出ていないか」という視点を持ちつつ読んでいただきたい。


 それにしても、高齢化した社会の中で40代というのは、相対的に見れば「まだまだ若造」になったとも言える。それなのに、逆に昔よりも疲れた四十男が目につくような気がするのはなぜだろう。高度成長やバブル景気で、日本経済がそれなりにいいとき、サラリーマンのお父さんたちは元気がよかった。仕事は忙しいけれど、よく働き、よく飲み、よく遊ぶ。いわゆる働き盛りで、お金もそこそこあって、むしろ若いヤツよりもカッコよかったり、モテたり、エネルギッシュだった。


 ところが、経済が下降気味になってきたころから、その年代の男たちに元気がなくなってきた。会社内での責任と仕事量ばかりが増え、若手のころより何倍も疲れる仕事が多い割には実入りは増えない。おいしい思いもできない。上からはプレッシャーをかけられ、下には気を使い、中間管理職的なストレスが増えていく。家に帰れば、あいかわらずローンや教育費がかさみ、奥さんや子どもからのプレッシャーもキツい。それがいま40代の男たちの置かれたポジションなのかもしれない。


 そこで、今回、私が提案したいのは「男は男なんか見本にするな。オジサンよりもオバサンを見習え」ということだ。同じ40代でも、いまの日本では女のほうが圧倒的に元気だ。以前、養老孟司さんと話したとき、「日本のオバサンは明るく楽しそうなのに、オジサンはショボくれている」という意見で一致した。オジサンは、オジサンから男の価値観で何かを学ぼうとするよりも、オバサンのマネをしたほうがよっぽどパワフルに生きられるというのが、私たちの結論だった。


 あるときから「美魔女」という言葉が出てきたように、昔に比べてその年代は圧倒的に綺麗でセクシー。彼女たちにも、それぞれ家庭の事情はあるだろうが、とにかく毎日よくしゃべり、飲み、食べ、好きな洋服を着て楽しそうに生きている。たとえば、私の周りの四十女には、J Soul Brothers のファンがたくさんいる。J Soul Brothers が好きだというのは、彼女たちが、まだまだ何かを狙ってギラついている証拠だ。そこがまず凄い。


 男女の機会均等を企業社会の推進力にしようというこの時代。とはいえ、歴史的経緯もあり、成功者のサンプル数はまだまだ男が多い。その結果、経済誌やビジネス書で語られる「できる人のハウツー」の類も男の物語が多い。


 ところが、男が男から学ぼうとするのは実は簡単ではない。優秀な男から学ぼうとすると、弾き飛ばされかねないのだ。その対象が書物であれ、近くのできる男であれ、「あの人は凄い。どうせ俺とは違う」と落ち込んでしまう。そんなことになったら何もならない。だからこそ、「女に学べ。オバサンに学ぼう」なのだ。


どの世界でも女性のほうが元気で優秀な理由



 養老さんと私が定義した「オバサン力」の第一は「図々しさ」だ。小さなことでくよくよ悩んだり、やたらに人目を気にしたりしない。たとえば、ファミレスでも、席が空くのを待っている人たちが行列していれば、オジサンは早めに食べて帰ろうとする。ところが、オバサンは二時間でも三時間でも居座ってしゃべり続け、並んでいる人を尻目に何杯でもコーヒーのお代わりをする。バイキングのお皿を持てば、食べきれないほど山盛りに料理を盛りつけてくる。


 つい先日、コンサートに行ったときも、オバサン力に感心した。そういう場所では、休憩中、女子トイレが大行列になっていて、その隣の男子トイレはガランとしていることが多い。そこで、オバサンには、かならずこう言う人が出てくる。

「ほらほら、こっちがこんなに空いているわよ。使わせてもらいましょうよ」


 そうやって自主的に交通整理までして、女子の行列をさばいているオバサンがいた。オジサンには絶対にできない芸当だ。


 養老さんと私が「この人こそ史上最強のオバサンだ」と認定したのは、かつて国土交通大臣を務めた扇千景さんだ。扇さんは大臣だったとき、官僚たちにこう言ってのけた。

「私は国土交通行政の素人です。しかも宝塚音楽学校しか出ていません。あなたたちは東大や京大を出た秀才なんだから、どんどんいい提案をしてちょうだい。全部そのまま採用するから。私の後にまた頭のいい大臣が来たら、その人のいいなりにしなくちゃいけないんだから、いまがチャンスよ」


 とても男には口にできないセリフだ。見栄やプライドが邪魔して、こうはいかない。それができてしまう扇さんだからこそ、日本の頭脳を自任する霞が関の人々に「扇大臣こそ歴代最高の大臣だった」と言わしめたのだ。


 扇さんは私にこう言っていた。

「人間、背伸びをしないのが一番いいのよ。一〇〇点を取ろうとしちゃダメ。私は政治家として六〇点、妻として六〇点、母として六〇点でいいの。三つを足せば一八〇点になるじゃないの」


 ふつう、こういう場合、足し算をするという発想はできない。なぜ足したまま、割り算もせずに「一八〇点よ!」と言えるのか。そこが凄い。オジサンならばむしろ「あれができなかったからマイナス一〇点。これが失敗したからマイナス一〇点」というふうに引き算で物事を考えて自己反省をして、自信を失ってしまう。しかし、そこで我田引水の足し算をして、加点方式で自己評価をして、完全に自己肯定できるのがオバサン力なのだ。


 芸能界を見ても、たくましいのはオバサンだ。デヴィ夫人といい、泉ピン子といい、無敵である。さらに象徴的なのは、IKKOとマツコ・デラックス。IKKOさんは業界の中でもとびきりの感性と人間性を持っているが、彼女は私にこう言っていた。「私が強くなれたのは、オッサンからオバサンになれたことがすべてよ」


 それはマツコ・デラックスも同じことを言っていた。


 私たちも、仕事の現場で追い込まれたときは「こういうとき、オバサンだったらどうするだろう」と考えれば道が開けてくることがある。オバサンの時代。そして、女の時代。機会均等がどうのこうのという前に、いま各企業の現場を見ると、やはり女性のほうが元気で優秀だ。


 テレビの現場でも、スタジオのフロアーでバリバリ仕事をしているのは圧倒的に女性だ。ディレクターもカメラマンも、昔なら考えられない比率で女性が多い。スタッフの離職率も女性のほうが少ないし、仕事の愚痴もこぼさずに粘ってがんばりがきくのはまちがいなく女性だ。彼女たちは、上下左右など関係なく、思ったことをズバリと言える強さがある。男なら、そう思っているのに言えないとか、陰でしか言えないようなことでもハッキリ言えてしまう。だから、ストレスがたまらない。

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