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経済・金融
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01 元気を取り戻した日本経済

『ど素人でも経済ニュースがすぐわかる本』
[著]鈴木亮 [発行]PHP研究所


読了目安時間:4分
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アベノミクスとは何だったのか?



 集中治療室で今にも息を引き取りそうな病人──。


 2012年までの日本経済をたとえれば、こんな状態でした。株価はどん底、サラリーマンの給料は下がり続け、リストラでいつ職を失うかわからない。(へい)(そく)感がいっぱいで、今日より明日が良くなると考える人は、ほとんどいませんでした。


 先行きに明るい展望を持てないので、庶民は将来に不安を感じ、お金を使いません。70代、80代のお年寄りが「将来が心配だから年金は貯金します」と真顔で語るほどでした。バブル経済がはじけた1990年からの22年間は、日本経済にとって暗黒の時代でした。


 そんな先の見えないトンネルから脱出するきっかけになったのが、2012年末に誕生した安倍晋三内閣の経済政策、アベノミクスです。これをきっかけに、(ひん)()の重態だった日本経済は2013年には普通病棟に移り、2014年には退院し、自宅療養するまでに回復しました。2015年にはかなり回復し、もう以前の健康体に戻ったと言っていいほど、経済の状況は良くなりました。


 新聞やテレビなどでも何度も見たり聞いたりしたアベノミクス。知っているようで、その本質が何だったのか、今さら聞けないことも多いのではないでしょうか。日本経済の現状を理解するために、まずアベノミクスとは何だったのか、その本質を検証してみましょう。


〓日本のデフレと充満していた後ろ向き思考



 一部の学者は「アホノミクスだ」などと、こき下ろしましたが、日本経済がここまで元気を取り戻したのは、アベノミクスの成果にほかなりません。今、私たちが生きているこの時代、なかでもこの3年間に起きたことは、数十年後、日本の経済史に残る大きな転機だったと評価されるかもしれません。


 アベノミクスの最大の成果は、日本全体に染みついた「うつむき思考」「後ろ向き思考」を(ふつ)(しよく)し、「もしかしたら、この国はもう一度、輝けるかもしれない」と多くの国民に明日への期待感を持たせたことだと思います。


 日本経済が瀕死の状態となった2000年以降、デフレと呼ばれる状態が続きました。デフレとはモノの値段が下がる状態が続くことです。物価が下がるのは一見、悪くないことにみえます。ランチで250円出せば牛丼が食べられたし、100円あればマクドナルドへ行ってハンバーガーを買えました。


 しかし、ちょっと考えてみてください。モノの値段が下がれば、それを作って、売っている企業のもうけも減ることになります。もうけが減った企業は、従業員の給料を減らします。ひどい場合は解雇して人件費を浮かそうとします。


 そうなると、庶民はモノの値段が下がってもお金を使う余裕がなくなり、結果としてモノが売れない。売り手は、もう一段、値段を下げて、なんとか売ろうとする。こういう悪循環が続いていたのです。


〓1本目の矢はモノの値段を上げる



 デフレを止めるにはどうすればいいか。アベノミクスがまず取り組んだのが、モノの値段を上げることです。同じ商品の値段が来年は2%上がるなら、今年買った方が得ですよね。デフレの時代は、来年になれば値段が下がるとみんな思っていましたから、(あわ)ててお金を使う必要がなかったのです。


 モノの値段を上げるにはどうすればいいでしょうか。モノはお金と交換します。お金の価値を下げてやれば、モノの価値は相対的に上がります。


 ではどうやってお金の価値を下げるか。それには量を増やして、希少価値を下げることです。カードゲームでレアカードが重宝され、多く出回っているカードの値打ちがないのと同じ理屈です。


 世の中に出回る円というお金の量を増やせば、円の価値が下がり、モノの価値は上がります。そこで始めたのが「大規模金融緩和」と呼ばれる日銀の金融政策です。早い話、日本銀行(以下、日銀)がこれまでより日本円を増やし、円というお金の価値を下げ、モノの値段を上げようとする作戦です。これがアベノミクス3本の矢の1本目です。


 日銀は当初、2013年4月からの2年間でモノの値段を2%上げる計画を打ち出しました。銀行などが保有している国債を日銀が買い取ることでお金を放出し、世の中に出回る円という貨幣を増やしています。


 当初の想定より時間はかかっていますが、日銀のこの政策によって、少なくともモノの値段が下がり続けるデフレの悪循環は断ち切ることができました。


 円というお金の量を増やすことで、もうひとつ、日本経済を長年苦しめていた病巣を取り除くことができました。それが円高の是正です。円相場の話は第3章の「日本のマーケットを考える」で、詳しく解説します。

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