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量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」 物心二元論を超える究極の科学
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人文・科学
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第三部 あの世とこの世の関係

『量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」 物心二元論を超える究極の科学』
[著]岸根卓郎 [発行]PHP研究所


読了目安時間:47分
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 第二部では、人類にとって、もっとも知りたくてもっともわからない「見えない心の世界の解明」、いわゆる「コペンハーゲン解釈」(量子論的唯我論)について述べたので、この第三部では、同じく人類にとって、もっとも知りたくてもっともわからないもう一つの「見えない心の世界のあの世と、見える物の世界のこの世の関係」、いわゆる「あの世とこの世の相補性」について述べることにする。


 もちろん、この「相補性の問題」は、すでに第二部でも「見える物質世界のこの世が見えない空間世界のあの世に、見えない空間世界のあの世が見える物質世界のこの世に変わる」、および「ベルの定理とアスペの実験」によってもそれぞれ説明したが、いま、そのことを再度「ベルの定理」によって説明すれば、

「ベルの定理は、それをどのように再定式化しても、〈ミクロの心の世界のあの世〉が〈マクロの物の世界のこの世〉へ〈投影〉されていて、両者が〈相補関係〉にあることを立証していることは間違いない」


 ということであった。しかも、そのことを「科学実験」によって立証したのが「アスペの実験」であった。繰り返せば、

「ベルの定理は、それをどのように再定式化しても、〈見えない心の世界のあの世〉と〈見える物の世界のこの世〉は〈重なり合って共存〉していて(状態の共存性)、しかも〈相補関係〉にあることを立証していることは間違いなく、アスペの実験はそのことを〈科学実験〉によって立証した」


 ということであった。そこで、この第三部では、そのことをさらに視点を大きくかえて、「相対性理論」と「量子論」の両方の観点からも改めて確認することにする。



 いうまでもなく、私たち人類にとって「心の世界のあの世と、物の世界のこの世の関係」、いいかえれば「死後の世界のあの世と、生の世界のこの世の関係」ほど「もっとも知りたくてもっともわからない問題」はなかろう。なぜなら、それは、

「死後の世界のあの世と、生の世界のこの世は〈表裏一体関係〉にあって、しかも〈相補関係〉にある」


 からである。その意味は、

「〈表裏一体〉で〈同化〉していて、しかも〈相補関係〉にあるものほど解明は難しい」


 ということである。それを比喩すれば、

「地球に住んでいる人間にとっては、自分が住んでいない隣の銀河のアンドロメダの姿は、地球と同化していなくて、しかも相補関係にないから、客観的に観測できるので〈本当の姿〉が解明できるが、自分の住んでいる銀河系の姿は、地球と同化していて、しかも相補関係にあるから、客観的に観測できないので〈本当の姿〉は解明できない」


 ということである。よりわかりやすく比喩すれば、

「二次元平面の〈影〉からは、それと同化していて相補関係にある三次元空間の〈本物〉の姿はわからない」


 のと同じである。つまり、私のいいたいことは、

「四次元世界のあの世と〈同化〉していて、しかも〈相補関係〉にある三次元世界のこの世に住む人間にとっては、四次元世界のあの世のことは〈客観的〉(科学的)に理解できないから解明が至難である」


 ということである。そのような中にあって、この困難な問題の解明に挑戦してきたのが、

「古くは東洋の〈思弁的〉な神秘思想の〈佛教〉(東洋の直観)であり、近くは西洋の〈論理的〉な科学の〈相対性理論〉や〈量子論〉(西洋の論理)である」


 といえよう。それゆえ、以下においては、このような見地に立って、第三部の課題とする「あの世とこの世の相補性」について、それを「東洋の思弁的な思考実験」の「古代神秘思想」(佛教や禅など)と、西洋の「思弁的理論的な思考型科学実験」(相対性理論や量子論など)の両面からそれぞれ解明し、あわせて「ベルの定理とアスペの実験の正当性」をも検証することにする。


一 あの世とこの世の相補性(その一)





1 相対性理論から見た、あの世とこの世の相補性



 すでに述べたように、これまでの西洋の自然観(宇宙観)は「ニュートン力学の宇宙モデル」を基盤としており、しかもこの自然観は三世紀にわたり「西洋科学の揺るぎない基盤」となってきた。そのニュートンモデルでは、

「空間は三次元であり、しかもそれは常に静止した不変の絶対空間である」


 と考えられてきた。ゆえに、ニュートンモデルでは、すべての物理現象はこの「絶対空間」を舞台に生起し、そこで発生する物理現象は「時間」という別次元で捉えられてきた。ということは、ニュートンモデルでは、

「絶対空間と同様に、時間もまた過去から現在を経て未来に向けて無限に流れる絶対時間である」


 と考えられてきたということである。そればかりか、

「これらの絶対空間と絶対時間の中を運動する要素は、すべての物質を構成する物理的な粒子(原子)で、小さくて不可分な剛体である」


 と考えられてきた。そのため、この「粒子」は数式上では「質点」として取り扱われてきた。ということは、ニュートンモデルでは、

「空間と時間と物質は完全に区別され、その物質は不可分で剛的で静的な粒子からなり、しかもそれらの粒子間に働く力は、粒子の質量と粒子間の距離のみによって決まる」


 とされてきた。しかも、

「その粒子間に働く力こそが引力である」


 と考えられてきた。ニュートンモデルが「引力モデル」と呼ばれる所以はそこにある。このようにして、ニュートン力学では、

「すべての物理現象を、引力によって引き起こされた質点の空間的な運動に還元する」


 ことになっている。それが、いわゆる「ニュートンの運動方程式」であるが、そこでは、

「宇宙という巨大な機械は、ニュートンの運動方程式の因果律によって支配され、そこで起こるすべての自然現象には必ず原因と結果がある」


 とみなされることになった。そして、その「因果関係」に哲学的な基礎を与えたのが、デカルトの「物心二元論」の「自我の哲学」であり、それによって、

「宇宙は〈人間〉とはまったく別の〈心〉を持たない〈無機物〉で、多くの物体が集合した〈巨大な機械〉にすぎない」


 との「機械論的宇宙観」(無機物論的自然観)、それゆえ「無神(心)論的自然観」が生まれることになった。このようにして、デカルトの「自我の哲学」によって、

「〈心を持つ人間〉(自我)と、〈心を持たない物質〉が完全に〈分離〉され、〈人間世界〉(観察者の心の世界)と〈物質世界〉(観察対象の物質の世界)が完全に〈分離〉し〈対立〉する、いわゆる西洋の〈物心二元論〉の自然観が生まれる」


 ことになった。ということは、

「〈物心二元論〉の〈西洋科学〉の出現によって、二〇〇〇年以上も前から〈東洋神秘思想〉の説く、〈心の世界〉と〈物の世界〉の一体化した〈物心一元論の自然観〉が完全に否定されることになった」


 ということである。


 その結果、一九世紀の物理学者の間では、

「〈宇宙〉はニュートンの運動法則に従って動く〈巨大な力学システム〉で、それを支配する〈ニュートンの運動法則〉こそが〈宇宙の基本法則〉(自然の本質)である」


 と固く信じて疑われなくなった。


 ところが、それから一〇〇年も経たないうちに、次々と新しい物理学理論が発見され、その結果、ニュートン力学には「限界」があることが明らかにされるようになり、

「ニュートン力学は宇宙の法則(自然の法則)ではあるが、決して宇宙の基本法則ではない」


 ことが証明されるようになってきた。


 そして、そのきっかけをつくったのがマイケル・ファラデーとクラーク・マクスウェルの「電磁気現象」の発見であった。なかでもファラデーは、

「銅をコイル磁石に近づけて電流を起こし、磁石の運動という力学的な働きを電気というエネルギーに変換する」


 ことに成功した。そればかりか、ファラデーとマクスウェルの二人は、その研究過程で、

「正の電荷と負の電荷が互いに引き合うのは、ニュートン力学にいう二個の物体の引力によるものではなく、それぞれの物体の〈電荷〉が周囲の〈空間〉に〈乱れや状況〉を作り出し、それらが互いに相手の物体の〈電荷に力〉を及ぼすからであり、しかもその〈力を生む可能性〉を持った〈空間の状況〉こそが〈力の場〉である」


 ことを発見した。その結果、それまでのニュートンの「引力の概念」は「力の場の概念」に置き換えられるようになり、ニュートン力学では「引力」の観点から「物体と力」は切り離しては考えられなかったのが、両者を切り離して考えられるようになり(電気力学理論の誕生)、それが物理学の世界に「根本的な転換」をもたらすことになった。しかも、この「電気力学理論」で発見されたもっとも重要な点は、

「〈光〉は波として空間を(でん)()する〈電磁波〉にほかならない」

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