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日本を誣いる人々 祖国を売り渡す徒輩を名指しで糺す
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政治・社会
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第四章 国民を欺いて国益を失わせしめる権力者は誰か

『日本を誣いる人々 祖国を売り渡す徒輩を名指しで糺す』
[著]渡部昇一 [著] 呉善花 [著] 八木秀次 [発行]PHP研究所


読了目安時間:29分
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運動家時代から見えてくる菅直人氏の狡猾さ



 渡部 平成二十一年の民主党政権誕生を受けて、私は『正論』(平成二十一年十一月号)にその本質を〈「社会党なき社会党」政権〉と書きました。鳩山政権の閣僚を思い出してほしいのですが、平野博文官房長官、川端達夫文科相は有力労組出身。赤松広隆農水相、千葉景子法相、仙谷由人行政刷新担当相は旧社会党出身。消費者・少子化担当相に起用された福島瑞穂氏はまさに社会党の後継たる社民党党首です。


 現在の菅改造内閣も一七閣僚のうち、留任の仙谷官房長官をはじめ細川律夫厚労相、大島章宏経産相、岡崎トミ子国家公安委員長、松本龍環境相が旧社会党出身です。一部それと重複しますが、民主党の最大支援組織である連合の組織内議員は七人で、労組への配慮も目立ちます。


 そもそも民主党は自民党出身者、新党さきがけ出身者、日本新党出身者、日本社会党出身者によって構成された“寄せ集め”政党に見られますが、党内左派は明らかに“確信的左翼”あるいは“職業左翼”です。政権誕生後一年半を経てはっきりしたのは、その確信的左翼が民主党を壟断し、日本を舵取りしている現実です。


 民主党政権の誕生で「脱官僚依存」ができると期待し、歓迎する向きも少なくありませんでした。それは保守論壇の中にもありました。私も、「官僚の官僚による官僚のための政治」に(くみ)する気はありません。その改革の必要性を認める者ですが、国家観、歴史観、安全保障問題など国家経営の根幹に「反日」を抱えた民主党では、国そのものがもたない。その警鐘を鳴らし続け、鳩山・小沢コンビによる政権が倒れたと思ったら、今度は、より左翼・リベラル色の強い菅直人氏の全共闘世代が牛耳る「反日」政権ができてしまった。


 菅氏は自らの内閣を「奇兵隊内閣」と名づけ、あたかも幕末の激動期を駆け抜けた高杉晋作になぞらえるようにして政権をスタートさせましたが、高杉の行動の帰結するところは「日本を守る」ことにありました。しかし、民主党は違うのです。彼らにとって守るべきは彼らのイデオロギーであって、日本ではない。これまで彼らがずっと日本を敵にしてきたことを国民は見抜かなければなりません。


 八木 第二次安保闘争の頃、菅氏が東京工業大学の学生として「全学改革推進会議」という左派の学生組織をつくり、リーダーとして活動したこと。その後、国政に出るにあたっても市民運動のキャリアが下敷きになったことは比較的知られた話ですが、菅氏の運動家時代から見えてくるのは氏の狡猾さです。


 当時、東京工大を仕切っていたのは中核派を中心にした全共闘(全学共闘会議)で、「全学改革推進会議」はその全共闘や民青(日本民主青年同盟、日本共産党系)とも距離を置いたノンセクトでした。街頭デモは行っても、いわゆる武闘派ではなかったらしく、これはあとで触れたいと思いますが、バリバリの過激派として鳴らした仙谷由人氏とは違う運動スタイルをとっていました。


  その頃の菅氏を知るという佐々淳行氏(初代内閣安全保障室長)が、菅内閣発足後、「菅首相の『変成』見定めたい」と題して『産経新聞』に書かれた記事を興味深く読みました(平成二十二年六月二十八日付【正論】)。八木さんのおっしゃる菅氏の「狡猾さ」が、首相としてのいま、どのように発揮されているかがわかります。


 佐々氏は、〈眼中に「市民」と「社会」はあるが「国家」のない政治家が、鳩山夢想政治から政権政党としての現実路線に軌道修正を始めた。脱小沢でクリーンを表看板にし、口蹄疫を「国家の危機」と認定して宮崎県の現場に急行する。さらに駐留米軍を「抑止力」として普天間での日米合意に前向きを強調し、自民党の公約を“風よけ”に消費税10%論に言及するなど大変な変成ぶりだ〉と菅氏を認めつつ、〈だがそれは、市民運動家が一国の責任ある内閣総理大臣へと成熟した「健常な変成」なのか。それとも参院選に対応するカメレオンの変色なのか。国民はしっかり見定める必要がある〉と釘を刺し、併せて、〈変節とも取れる現実路線への転換を正当化する弁論術は大したものだ〉と具体的に次のような指摘をしています。

〈とくに感心したのは、学園紛争時代のことは「(恩師)永井陽之助」を盾に聴衆を煙にまいた詭弁術だ。次々と過去の発言との矛盾を衝かれた代表質問での答弁も見事だった。福島瑞穂社民党党首には「過去にいろいろ発言したが、9・11(テロ)など時代は変わった。社会党の村山富市総理だって一夜にして日米安保是認、自衛隊肯定に変わったではないか」と反論し、「いまのは総理としての発言」と答えた〉


 佐々氏によれば、これは「論点・時点変更の誤謬」と呼ばれる詭弁術の一手法で、「過去」を否定して「現在」を正当化する鮮やかな弁論術だそうです。また、〈「11年前、国旗国歌法に本会議で反対した菅氏には総理の資格がない」という攻撃に対しては「私は日の丸は大好きです。君が代ももう少し元気な曲がいいが嫌いではない。私は国旗に敬礼し、国歌斉唱しています」と答えた。これには二の句がつげない。しかしこれも「不可知の誤謬=論証不能(本人しかわからない)」の詭弁術〉だそうですが、その後の実際の展開を見ると、菅氏は詭弁を弄することに汲々としているようにしか見えません。


破綻している「不可知の誤謬」の詭弁術



 渡部 菅氏が国旗国歌法案に反対したことは事実です。

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