読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-2
kiji
0
0
1217419
0
日本を誣いる人々 祖国を売り渡す徒輩を名指しで糺す
2
0
0
0
0
0
0
政治・社会
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第九章 「人権」「人道」の衣装の下に暗黒の意図を隠すのは誰か

『日本を誣いる人々 祖国を売り渡す徒輩を名指しで糺す』
[著]渡部昇一 [著] 呉善花 [著] 八木秀次 [発行]PHP研究所


読了目安時間:38分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ



国を売り渡す“毒”は地方にまで急速に及んでいる



 八木 宮澤政権以後、自民党が政権党であることに固執し続けた結果、日本はどれほどのものを失ったか。その帰結点をわれわれはいま、民主党政権の菅談話に、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に、ロシア大統領の北方領土視察に見せつけられている。外国人参政権問題しかり。国政が、いかに日本という国を売り渡すことに鈍感になってしまっているか。


 友愛、共生、親善、東アジア共同体、地球市民……これらの言葉の毒が回り切らないうちに何とかしなければならないわけですが、この毒は地方にまで急速に及んでいます。「市民自治の思想」「地域主権改革」といった民主党の理念、政策の危うさはこれまで述べてきましたが、菅談話に先行する状況が地方で起きていたことを読者に伝えておきたいと思います。


 実は、平成二十一年九月の民主党政権誕生以後、旧日本軍の断罪を目的とした市民団体による全国の地方議会への働きかけが活発化し、公的謝罪や国家賠償などにつながる「誠実な対応」を政府に求める意見書が相次いで可決されています。


  慰安婦についての意見書の地方議会での可決は、平成二十年三月の兵庫県宝塚市議会をはじめ全国の地方議会で相次ぎ、平成二十二年六月末現在で二五件。八木さんご指摘のように、民主党政権発足後の可決は一六件と急増しています。意見書の文面はいずれも似ていて前提となっているのが「河野談話」です(平成二十二年七月十五日付『産経新聞』)。


 記事によると、六月二十八日に共産党や第一会派である公明党の議員らの賛成多数で可決された大阪府高槻市議会の意見書では、米下院議会が二〇〇七年七月に「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷としたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択したと指摘、真相解明と被害者の尊厳回復など「誠実な対応」を求めるという内容です。しかし、米下院の決議自体の根拠が「河野談話」なのですから、これは確信犯的な外圧利用ですね。


 記事によれば、可決を働きかけたのは共産党に近い市民団体で、ほかにも複数の市民団体が各地の地元議員への要望を強めているようだとあり、まさに八木さんが先に指摘されたように市民運動家による議会への影響力行使が強まっているということでしょう。


 渡部 「誠実な対応」といっても、先に触れた「アジア女性基金」によって総理のお詫びの手紙とともに「償い金」を支給する事業は役目を終えて解散しているのですから、これは運動の継続とそれに関わる予算獲得を企図する人たちによる動きですね。


 八木 意見書は慰安婦問題だけではありません。たとえば東京都小平市議会では「朝鮮学校を高校無償化から排除しないことを求める意見書」の議案が民主党議員から出され、六月二十九日、民主党や公明党の会派などの賛成多数で可決されています。しかもこの議案は、朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)側が準備した草案をほぼ丸写ししていた事実が、他会派に示された草案のファクスに朝鮮大学校から送信されたことを示す文字が残っていたことから発覚しているのです(平成二十二年七月二十二日付『産経新聞』)。


 朝鮮総連は民主党政権発足後の平成二十一年秋、地方の民主党議員への働きかけを強化するよう内部文書で指示しており、平成二十二年五月には、朝鮮学校生徒の父母らを対象に出した文書で、地方議員らと手を組んで意見書を採択させる運動を命じています。これらの指示が小平市議会で具体化されたというわけです。


 また、千葉県市川市議会では、永住外国人への地方参政権付与に反対する意見書が委員会で可決されながら、在日本大韓民国民団(民団)のロビー活動の結果、本会議で否決されるという事態が起きています。しかも、自民党系議員らも民団の指摘に応じたことで賛否が逆転したという(同記事)。


 渡部 まさに民主党と、その国家解体を支持する人々による「地域主権」の確立が進んでいるというわけですね。いずれも「人権」「人道」「歴史の反省」といった衣装をまとっているだけに、その背後のどす黒い意図は隠されてしまっている。素直に善かれと思って賛同している日本人が大勢いるのだろうと思うと切歯扼腕せざるを得ません。


東京裁判史観を急速に悪化させた「ある事態」



 八木 自民党はいつのまにか政権党であることが目的化してしまい、保守政党たる本分を忘れたわけですが、民主党は確信犯としてわが日本を解体し、彼らの考える「市民自治の思想」に基づいて改造しようとしている。そして現状を眺めるかぎり自民党には決然としてそれと対決しようという気概は見られない。


 渡部 自民党もまた売国、亡国に手を貸してきた政党であることは中曽根政権の頃から感じ取れたにもかかわらず、われわれは「保守」という自民党の看板を漠然と信ずるあまり看過してしまった。靖国であれ慰安婦であれ、歴史に関わる問題について自民党がしてきたことは、摩擦回避のためのその場しのぎ、根治を考えない対症療法を繰り返してきただけなのです。結果的に“症状”が現れるたびにひどくなって、まるで日本は梅毒に蝕まれているかのようです。


 梅毒に罹るとまず湿疹のようなものが現れますが、治療をしてもしなくても一時的に湿疹は消えます。ところが次に発症したときはずっと悪性となって症状が現れる。それでもまた引っ込む。そんなことを繰り返しているうちに、鼻が欠け、やがて脳が侵されて痴呆となる。日本を侵している“謝罪病”も、日本自体を蝕んで治癒が不可能なポイント・オブ・ノー・リターンに差し掛かっていると言えるかもしれない。これ以上、民主党政権が続けば、そうなる可能性は高い。


 この病の原因菌が東京裁判史観であることは言うまでもないのですが、それを急速に悪化させる事態があったことを改めて読者に伝えておきたい。それは、中曽根内閣時代の昭和六十年十一月八日の衆議院外務委員会で、サンフランシスコ講和条約第十一条について、社会党の土井たか子議員の質問に外務省を代表して小和田恒条約局長(当時)がこう答えていることです。

「……ここで裁判(極東国際軍事裁判=東京裁判)を受諾しているわけでございますから、その裁判の内容をそういうものとして受けとめる、そういうものとして承諾するということでございます」


 日本の外務省の正式見解はこの答弁によって、裁判と判決をごっちゃにしてしまうという致命的な誤りを犯したのです。東京裁判に関してサンフランシスコ講和条約で日本が受諾したことは何か。


 私は、マッカーサーが戦後の一九五一年五月三日に米上院軍事外交合同委員会で、日本の戦争動機について、「大部分が安全保障の必要に迫られてのことだった」と答えた事実と、サンフランシスコ講和条約第十一条の「戦争裁判の受諾」という部分の解釈をしっかりしておくことが、日本が独立国として起つために不可欠の「知」だと確信しています。


 いったい「戦争裁判の受諾」という部分の原文(英語)はどうなっているか。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:15933文字/本文:18798文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次