『人生の億万長者になろう。 道楽名人になる54の方法』
[著]中谷彰宏
[発行]PHP研究所
年収が増えただけでは、あなたの態度や発想は変わりません。
年収が増えて使うお金も増えた段階で、あなたの態度や発想が変わってくるのです。
一生のうちにいくら儲けるかという「生涯年収」と言われる言葉があります。
でも、一生のうちにいくら使うかという話は、誰もあまりしません。
死ぬ時にいくら残すかということについては関心が高く、貯金がいくらあるかということばかりにみんな目が向いてしまっています。
しかし、一生のうちにいくら使ったかで、あなたの人生がどれくらい豊かだったかがはかれるのです。
生涯年収とか生涯貯蓄を前提に考えていると、あなたの人生は豊かになりません。
それでは、年収が増えても決して豊かになりません。
自分の生活が豊かにならないのは年収が増えないからだと思い込んでいるとしたら、大間違いです。
貯金が増えれば人間の態度や発想が変わってくると思われがちです。
しかし、現実問題としては、貯金が増えれば増えるほど態度や発想は貧しくなっていきます。
人間は貯金が増え始めると、その貯金をもっと増やしたくなります。
もっとためようと考えるようになり、日々使うお金がどんどん少なくなっていくからです。
使うお金が少なくなってくると、態度や発想は貧しくなってくるのです。
貯金が増えていくパターンには、2通りあります。
①お金を使わないで貯金が増えていくパターン。
②お金を使っても使っても使い切れなくて残った場合。
本来の貯金は、②のケースです。
中国の文化を見ると、実用的にお金のことを真剣に考えていることがよくわかります。
お金の天才・中国人は、「貯」と「蓄」を違う意味でとらえています。
「貯」は、長年ためていたお金「ストック」です。
「蓄」は、使っているけれども残っているお金「フロー」です。
日本人が「貯蓄」と言う場合、ほとんどの人が、銀行に入っているお金を想像しがちです。
中国人は、そうは考えません。
「銀行に入っているお金」と「財布に入っているお金」とを別に考えるのです。
「ストック」が銀行に入っているお金で、「フロー」は財布に入っているお金です。
財布に入っているお金が回転しないということは、お金を使っていないということです。
本当に豊かな人は、財布に使えるお金が入っています。
銀行にいくらお金が入っていても、豊かにはなりません。
銀行にたくさんお金を入れようとして、財布の中にはお金がほとんど入っていない。
財布に入ってきたお金は、全部銀行に入ってしまう。
銀行に入れると、そこで自分のお金は行きどまりになってしまうのです。
それでは、態度や発想はいつまでたっても豊かになりません。
態度や発想が最も変わるのは、お金に対しての考え方が変わった時です。
明日のために その2 態度や発想を豊かにしたければ、お金を使おう。